一時期に13名という前代未聞の休演者数を出し、たくさんの代役が立てられた月組東京公演。
それゆえ本日ぶじに大千秋楽をむかえ、蓮つかささん、蘭尚樹さん、水城あおいさんら3名を見送ることができて、月城さんにも組子たちにも安堵の表情が見られました。
月組東京公演千秋楽「フリューゲル/万華鏡百景色」感想
千秋楽公演ざっくり感想
月組らしく千秋楽だからといって過度なアドリブがあるわけでもないし、しゃかりきになることもない。
とにかく『通常どおり』を意識した堅実でていねいな公演だったように思います。
『フリューゲル』は東西に分断されたドイツが痛みを伴いながらも新しい時代へと突き進んでいく様子が、
まさにいま過渡期をむかえている宝塚歌劇と重なるところがあり胸に迫りました。
『万華鏡百景色』はこれが本当に大劇場デビュー?と、才能を見せつけた栗田先生。
80名の組子を適材適所に配置し、『お抱え演出家』としての仕事をきっちりこなしただけでなく、ショーでありながら芸術性の高い作品に仕上げて、お見事。
芝居力が問われるショーでもあり、その規模の大きさゆえ再演は難しいでしょう。
だからこそ、この作品を体感できた我々は生き証人のような…。ちょっと大げさですかね。笑
【余談】正直、本日のカメラアングル(スイッチング)はお芝居もショーもアレレだったように思います。
タカラジェンヌの祈り
蓮「我が宝塚人生に悔いはありません。この愛に溢れた宝塚歌劇団が永遠に続きますように」
いまほどこの言葉が胸に突き刺さるときはありません。
劇団の幹部の皆さん聞きましたか?
青春を宝塚に捧げたジェンヌの祈りは、あなた方のこれからの対応にかかっています。
今度こそ正しい再調査がなされ、ご遺族に誠意ある対応を望みます。
月組生として最後の大劇場公演となったきよらさんのご挨拶はありませんでした。
予定どおり組替えは実施されるのでしょうか。
長い目で見るとどちらが良いのか分かりませんが、お二人(きよら、天彩)の組替えには慎重な判断を願うばかりです。
月城さんのご挨拶によると『万華鏡百景色』の歌詞にはそれぞれの人生を讃える意味が込められているのだそう。
蓮さん、蘭さん、水城さんの明日からの人生も、すべてのタカラジェンヌの人生も幸福なものでありますように。
感動の緞帳前!月城かなとの人間性
組長が「どんなときも組子のことを一番に考えてくれるトップスター」と紹介していたとおり、月城さんのご挨拶は組子への愛に溢れたものでした。
月城「1か月間公演を続けることが当たり前のことではないと改めて実感した公演でした。そして今日ぶじに千秋楽が迎えられたのも月組の仲間が前向きに舞台に取り組んでくれたからです。本当にありがとう」
周りの月組生に向かってお辞儀する月城さん。
トップスターのこの行為だけでもお芝居とショーの代役公演がどれだけ苛酷なものだったかを物語っているように思います。
月城「続けることがとても大変な公演でしたが、月組のみんなが気丈に振る舞ってくれて、つらいことも沢山あったと思うんですけど、それでも前を向いて、お客様が待っていてくださる限り舞台を届けたいという想いで、いろんな事に耐えてくれました。いま緞帳の後ろにいる(組子たち)聞いてるかな?」
組子からの返事は聞こえず…
月城「でもきっと聞こえると思いますので、本当にみんなのおかげで公演することできましたので、もう一度組子のみんなに大きな拍手をお願いします。」
各席大拍手!
月城「聞こえてますかぁ~?」
緞帳に耳を当てて組子の存在を確認する月城さんに客席クスクス。
組子「(緞帳の後ろから)ハーイ!」
月城「うぁっ!聞こえてるって。えへへ、聞こえているそうです。ありがとうございます」
月城さんのブレない強さと安定感。すべてにおいて信頼に値するステキなトップさんですね。
組子たちも月城さんからの感謝と労いのことば、嬉しかったでしょう。
組の最大のピンチを一丸となって乗り越えた月組の皆さん、本当にお疲れ様でした。
集合日まで心身ともにゆっくり休んでください。