前回のブログで『労働問題、パワハラ問題は、和解が成立するまで3年を要する場合がある』と記しました。
なのでそう簡単に解決する問題ではないとは理解していましたが、
ご遺族側と劇団側の初面談が決裂に終わり残念な気持ちでいっぱいです。
劇団側と遺族側側が初面談
面談交渉の報告は書面で公表
宙組の生徒が亡くなった件に関してご遺族側と劇団側の初面談交渉の報告は、会見ではなく書面で公表されました。
24日、大阪市内で、阪急・劇団側は代理人弁護士2名と劇団総務担当者1名。ご遺族側は代理人2名が出席。
劇団側の主張はこうです。
「調査報告書に拘泥することなく遺族の主張を真摯に受け止め引き続き協議したい。その他の遺族の要求については、認めるべきものは認めるよう前向きに対応していきたい」
一見するとご遺族の意向に沿って対応しているかのような印象を受けますが、残念ながら一部を除いてそれは誤りです。
結局のところ、パワハラは認めず、この期に及んでもまだ第三者委員会を立ち上げる気は無く、言い訳ばかり。
第三者委員会の設置の予定なし
「調査チームは第三者委員会ではないが劇団との関係で独立性がある。風土改革については第三者委員会を設置する予定はないが、外部有識者の意見も聞きながら劇団の責任で進めていくつもりである」
ここまで頑なに第三者委員会の設置を拒む理由は何でしょうか?
劇団に西宮労働基準監督署の監査が入ったことが報道されましたが、監査が入ったのは今回が初めてではありません。
すでに2年前に演出助手の休日労働などの取り扱いを巡り、是正勧告を受けていたのだとか。
にも関わらず「第三者委員会を設置せず劇団の責任で進めていく」なんて、こんな悲しい結果を招いたことの重大さをまだ分かっていないようです。
2年前の段階で環境が改善されていれば…
劇団側はパワハラ認めず
過重労働については概ね認めたものの、改善案は酷いもので、まだ自分たちで何とかしようとジタバタ。
そしてもっと酷いのはパワハラについて一切認めようとしない点です。
それどころかご遺族側がこれまでに提出した書面や証拠を、阪急・劇団側は「提出されていない(受け取っていない)」と主張。
無かったことにされたといえば、桜木さんと秋奈さんが独自で行った宙組生のヒヤリング調査報告もですね。悔しかったでしょうね。
ご遺族は再度、劇団側に要求を突きつけ、こう主張しました。
「パワハラが否定されたままで本件につき合意解決することはありえない」
劇団側の作戦
早期解決に失敗した劇団が、今度はのらりくらりと時間を引き伸ばす作戦に出たのかとすら思います。
だって雪組も星組もチケットの争奪戦が繰り広げられ、つづく花組と月組はトップコンビの退団公演ということで、数年の利益が短期間で得られる稼ぎ時です。
そうこうしているうちに世論も静まりコアなファンだけが残って元通り!という筋書きなのかもしれません。
しかしながら劇団上層部が自分たちが対応を誤っていることにすら気がついていない状況において、すでに影響は出始めています。
完全決裂!今度はどうなる?
万博アンバサダーの活動停止、大手企業貸し切り公演見合わせ、NHK大阪も公演の放映見合わせ…
問題が長期化すればするほど社会的信用を失い、宝塚のイメージは堕ちていきます。
明日のニュースやワイドショーでもこの話題が取り上げられ、またも世間の批判を浴びることになるでしょう。
これでますます公演再開が難しくなったであろう宙組と、今週末に初日を迎える雪組。
花組と星組の休演者も心配ですし、生徒さんたちのメンタルケアがしっかりとなされますように。
2回目の代理人面談交渉は12月後半に予定されています。
「ご遺族のお気持ちやお考えを真摯に受け止め誠実に協議してまいる所存です」
劇団のコメントどおり、今度こそご遺族に歩み寄った話し合いが行なわれることを願っています。