水美舞斗さんと瀬央ゆりあさんが出演し、好評を博しているLDL主催の舞台『HiGH&LOW THE 戦国』。
スカイステージでメイキング番組が放送されました。
THE MAKING OF『HiGH&LOW THE 戦国』感想
大緊張の稽古初日
番組はお稽古初日のキャスト顔合わせからスタート。
メイキングとありますが、作品をつくっていく過程を見せるのではなく、
水美さんと瀬央さんだけを切り取った密着番組という印象です。
あまりの緊張に「宝塚歌劇団、花組の…あっ、違うわ!」と会場の笑いを誘う水美さん。
顔合わせ終了後のインタビューで、「緊張してても宝塚歌劇団、花組の~までは自然と言えちゃうの、しみついちゃって。」と、可愛い言いわけまで放送されていて、
こういうところカットせず流れるなんて珍しいですね。
瀬央さんもとても緊張していて、本来の『コミュニケーションおばけ』は封印。
借りてきたネコのように大人しく、そのことに一番ビックリしていたのは水美さんでした。
「えっ!なおちゃん(瀬央)どうしたの?」と。
水美舞斗の挑戦
稽古が始まってからは演出家の指導のもと、それぞれ自分の課題を向き合う日々。
ふたりに共通する課題というのが「宝塚(男役)の型にハマるのではなく、台本の中にある感情を読み取る」というもの。
水美さんが苦労したのは、リアル男性に交じると男役を演じているだけでは男には見えないという点。
なのでまずは感情から入ってセリフを言い、それだと女性に見えてしまうというところを(宝塚の型を取り入れつつ)修正するという作業を繰り返したのだとか。
個別のダメ出しも、それを瞬きもせずに真摯に受け止める姿も、なんどもやり直しをする姿まで映し出されていて驚きました。
演出家が水美さんに「相手が娘役だったらどうするの?」とバックハグのアイディアをもらう一幕もあり、
瞬時に水美さんは3つのパターンを示していて、さすが男役歴15年!どれもカッコ良かったです。
でもね、アイディアは採用されましたが、水美さんはバックハグする方ではなく、される方なんですよね。
湧水は儚さを漂わせる役なのでカッコ良さが見いだせなかったのだとか。
だけど水美さんの根底には、お客様にはカッコいい姿を見せたい、男性の中に混じっていても引けを取らずカッコいいと思ってもらいたいという思いが強く、
絶対に女性に見えるのはイヤだと。
そんな水美さんの役に対する考え方やお稽古に向き合う姿勢が気持良いと、瀬央さんが誇らしそうに語っていました。
瀬央ゆりあの挑戦
瀬央さんが苦労した点は、「男性相手だと15年間で染み付いてしまった男役のクセが邪魔になることがあって、いったんそれを破壊して新たに構築しないと芝居が成立しない」ということ。
だからといって感情を優先してセリフを言いながら涙ぐんでしまうと、「泣いちゃダメ。それだと弱っちい。女性が出てしまう」と容赦のないダメ出しが飛んできます。
瀬央さんの実力も頑張りもちゃんと認めたうえでの難易度の高い要求に、悪戦苦闘しながらも見事に応える瀬央さん。
みるみる芝居が良くなっていく。
男性相手の激しい立ち回り稽古は、見ているコチラも手に汗にぎりました。
水美舞斗と瀬央ゆりあ・2人のトーク
ふたりのトークは和気あいあい。
『がんばった』というテーマでは、「わたしたち男性に混じってよく頑張ってる」と自画自賛。
水美さんって同期といると天真爛漫な末っ子になるのが可愛い。「ほめて、ほめて」を連発していました。
瀬央さんは少しお兄さん的立ち位置でトークを仕切り、あたたかくて器の大きなお人柄がステキ。カンパニーのみんなから信頼されているのもよく分かります。
化粧は宝塚とはちがって付けまつ毛ナシなんだとか。
「わたしの目はシジミだから」と3階から表情が見えてるのか心配な水美さん。
「なおちゃんはハマグリだから大丈夫!」「えっ!シジミ→アサリ→ハマグリってランクあるの?」と目のサイズで盛り上がる研15のふたりに大笑いしました。
最後は「おなじ考え方の人がそばにいてくれて心強い。ありがとう」と互いに感謝を伝え合って番組終了。
水美さんと瀬央さんの頑張りに胸が熱くなるとても良い番組でした。
ハードな公演ですので、おふたりともケガなく元気に2月25日の千秋楽まで駆け抜けてほしいなと思います。