本日、宝塚歌劇団から驚きのニュースが飛び込んできましたね。
なんと全5組において「副組長2名体制」を導入するという、宝塚の長い歴史でも類を見ない組織改編が発表されました。
そして演出家の植田景子先生の退職というショッキングな報せまで……。
副組長2名制「負担分散」と「心のゆとり」
組長&副組長の負担
これまで組長・副組長は、ご自身の舞台準備や稽古はもちろん、組子全員のケア、さらには劇団幹部やプロデューサーとの調整業務など、想像を絶する多岐にわたる公務を担ってこられました。
いわば「組の屋台骨」ですが、その忙しさとプレッシャーからくる精神的、肉体的な負担は想像を絶するものがあります。
それだけが原因ではないと思いますが、ここ最近は『幹部』が短期間で入れ替わることも多く、なんなら、「幹部(組長、副組長)という重責を担うくらいなら、今のうちに退団を!」と、実力ある上級生が去ってしまうことも少なからずあったのではないかと。
役割を分担することで、一人の生徒さんに負荷が集中するのを防ぎ、『担い手』が増えることに期待したいところ。
組子にとっても、相談相手が複数いることは救いになるでしょうし、人間ですから相性もあるでしょう。選択肢が増えることで風通しの良い環境づくりにつながるといいですね。
内部改革が着実に進められている点は、非常に高く評価したいポイントです。
新たに副組長に就任される顔ぶれを見ると、紅羽真希さん(97)、佳城葵さん(97)、桜路薫さん(95)、朝水りょうさん(96)、愛すみれさん(95)という頼もしいメンバーが揃いました。
植田景子先生 退職について
「植田景子作品」を振り返る
60歳のお誕生日をもって、劇団を退職された演出家の植田景子先生。あと5年継続するか迷った末の決断だったそう。
そういえば、2019年に花組で上演された『A Fairy Tale -青い薔薇の精-』以降、大劇場公演での登板がなかったんですよね。
その後、別箱では『Hotel Svizra House(2021年)』、『舞姫(2023年)』、『GOETHE(2025年)』と続くものの、大劇場でラストを飾ることなくそのまま退職とは!
『宝塚初の女性演出家』という彼女のタイトルに対してあまりにもあっけない。
これじゃあ寂しすぎるので、私の心に深く刻まれている「植田景子先生の好きだった作品」を挙げたいと思います。
『落陽のパレルモ』
春野寿美礼さんの気品あふれる軍服姿と、地中海の乾いた風を感じさせるような色彩が秀逸でした。身分違いの恋の切なさが、景子先生らしい美学で綴られた名作です。
『ハプスブルクの宝剣』
柚希礼音さんの持つ力強さと、主人公の才能ある人ゆえの苦悩が見事に融合した秀作。壮大な歴史のうねりを感じさせる演出に圧倒されたのを覚えています。
『愛と革命の詩-アンドレア・シェニエ-』
蘭寿とむさんの包容力と、革命の嵐の中で愛を貫く崇高な姿……。ラストシーンのあの、美しくも悲しい、けれど希望を感じさせる幕切れは、景子先生にしか描けない「究極の愛」の形。
『ハンナのお花屋さん -Hanna’s Florist-』
明日海りおさんの透明感溢れる佇まいに、北欧の柔らかな光と色とりどりの花々。現代的なテーマを扱いながらも、宝塚らしいファンタジーと温かさに満ちた良作です。
あとは、先生の代表作である『舞姫』や、大空祐飛さん版、月城かなとさん版ともに、見終わったあとの余韻がすごかった『THE LAST PARTY』、真風涼帆さんの大人の魅力満載の『Hotel Svizra House』、永久輝せあさん率いる花組の底力を見せつけた『GOETHE』も好きでした。
ストーリーにおいては多少のご都合主義はあるものの、どの作品も、観劇後はトップスターの魅力にどっぷりハマり、「宝塚を観た」という満足感に包まれるものばかり。
植田先生、たくさんのステキな作品をありがとうございました。
111期の配属先が決まり、劇団初の女性演出家を見送り、副組長2名制という新たな制度が導入された2026年春の宝塚歌劇。
いちファンとして、この先の人事がどうなるのか引き続き注視するとともに、各組のさらなる飛躍を楽しみにしたいと思います。