全国ツアー「モンテクリスト伯/Gran Cantante!!」
前回の記事では組替えしてきた暁さんを中心に感想を書きました↓
今回は、星組の105期を中心に感想を記したいと思います。
(ネタバレありですので読み進めご留意ください)
95期につづく注目の105期
現在の宝塚歌劇を牽引する95期の神7。
柚香光、礼真琴、月城かなと、朝美絢、水美舞斗、桜木みなと、瀬央ゆりあ。
100周年以降の宝塚歌劇は95期の活躍なくして語れません。
この95期がスゴイのは神7だけにとどまらず、
愛希れいか、実咲凛音、妃海風
3人の娘役トップを輩出したこと。
この黄金の期につづけとばかりに
100期や102期に注目があつまりましたが、
いま、もっとも躍進しているのが105期です。
とくに娘役の活躍が著しく
すでに4人が新公ヒロインを経験。
花組・星空美咲
雪組・音彩唯
星組・詩ちづる
宙組・山吹ひばり
2019年に入団した彼女たちも
もう研4なのですね。
星組105期・詩ちづる
詩ちづるさん
入団成績は3番。
月組から星組に組替え。
組替え後「めぐり会いは再び」で
新公初ヒロイン。
阪急ポスターモデル。
本公演でも目立つ役を与えられ、
全国ツアー「モンテクリスト伯」で
娘役2番手の役が決まったときには
いよいよか!と。
詩ちづる・エデ姫
詩さん演じるエデは、フェルナン(瀬央)に両親の命を奪われ、奴隷生活を送る王女。
そんな彼女を救ったのがエドモン(礼)でした。
エデ姫はエドモンとともにフェルナンに復讐を果たすことを誓います。
しかし、エドモンと過ごすうち、彼を本気で愛してしまい…
詩さんは「めぐり会いは再び」の
幼い子ども役のイメージから一変。
美しいアラビアの衣装を身にまとい
踊りながら流し目をチラリ。
初めてみる詩さんの大人っぽい表情に
ドキッとしました。
フェルナンに銃を突きつける復讐シーンは
10期上の瀬央さん相手に堂々と緊迫した演技をみせています。
【ネタバレ】
ラストはエドモンとメルセデス(舞空)が
結ばれハッピーエンドなのですが、
エドモンの幸せを思い、身を引くエデ姫の健気なこと。
姫としての気高さや優しさやがにじみ出る
ステキな役作りで、詩さんの役の幅がグンとひろがったように思います。
詩ちづるの今後
詩さんのは、歌もダンスも上手、月組仕込みの演技も◎
そして、並ぶ男役さんを選ばないことも
大きな魅力の一つです。
礼さんも、新公でコンビを組んだ咲城さんも
詩さんがとなりに並ぶと、一回り大きく男らしく見える不思議。
これは詩さんのもともとの素質なのか
努力なのかは分かりませんが、
男役をステキに見せられる娘役なのは間違いありません。
これからバウや東上ヒロインの経験を積んで
いずれはトップ娘役にと期待が高まります。
星組105期・稀惺かずと
稀惺かずとさん
入団成績は11番。
音楽学校入学時にも、入団時にも
注目されすぎるくらい注目されました。
ゆえに、派手な抜擢はさけ、段階を踏んで大切に育成されている印象です。
稀惺かずと・アルベール
稀惺さん演じるアルベールは
フェルナン(瀬央)とメルセデス(舞空)の息子です。
不仲の両親に育てられますが、アルベールは心優しく聡明な青年に成長します。
復讐のためにエドモンに利用されているとも知らず、エドモンを慕うアルベール。
【ネタバレ】
じつはアルベールの本当の父親はエドモンなのです。
稀惺さんのアルベールは、人を疑うことを知らないピュアさが本当によく出ていて、若かりしエドモンに似ています。
礼さんの演技を意識して、親子に見えるよう大切に演じているのでしょう。
ラストの決闘で、父親(礼)と同じ結末を選ぶことの説得力よ。
いい役者さんです、稀惺さん。
稀惺かずとの今後
稀惺さんの品の良い舞台姿は、どこにいても目を引きます。
滑舌の良い発声、正確な音程で聞き心地のいい歌。
これまでは子役や少年役を演じることが多かったので、これからは大人の男性役がまわってくるといいですね。
そして、いずれ新公主演をすると思いますが、
劇団の本音としては、一作でも多く礼さんの作品で、真ん中に立つ経験値を上げさせたいところでしょう。
稀惺さんと詩さんをはじめ、ますます魅力的な舞台人になっていく105期生。
これからも彼女たちに注目していきたいと思います。
それにしても全国ツアーの星組は熱かった~。
「限界を超えろ!」
礼さんがスローガンに掲げているように
全力で歌いおどる組子の姿に、何度も胸があつくなりました。
ハードな公演ですので
どうかケガのないよう無事に完走されますように。