フェアリーと呼ばれていた時代はいつのことやら、
「冬霞の巴里」で復讐に狂ったアナーキストを振り切って演じ、大きな話題になりました。
目覚ましい変化を見せる聖乃あすかさんについて記したいと思います。
聖乃あすか
聖乃さんは2014年に初舞台を踏んだ100期生。
華やかな顔立ちと品の良い舞台姿に、はやくから注目が集まります。
しかし、同期で新公主演 一番のりしたのは星組の極美さんでした。
聖乃「極美慎が主演をしたので、わたしも頑張ろうと思いました。負けず嫌いなので」
そして聖乃さんに回ってきた新公初主演が、大作「ポーの一族」
若さゆえ突っ走ってしまうところがエドガーの少年性とリンクして、とても良かったです。
「ポーの一族」のエドガーも
「A Fairy Tale」のエリュも、
聖乃さんの尋常ではない透明感に引きこまれました。
こんなにフェアリーがハマる人もいない。
聖乃さんはフェアリー路線を極めるのかなと思っていました。
しかし、本人は花組に所属になった時点で、目指すものをしっかり定めていたようです。
聖乃「入団当時は中性的な男役になれたらと思っていましたが、花組に配属になり、誇りをもって男役らしい男役になりたいと思いました。ノーブルかつ熱さを持って内面も成長したいです」
「花より男子」
初バウ主演の「PRINCE OF ROSES」
この頃には『白が似合う王子様』をやりきった感があり、
聖乃さんはこれからどうなっていくんだろうと思っていたころ、意外なところで大きな変化が訪れます。
それが2021年「Cool Beast!!」
このショーは同年4月~7月まで本公演で行われていたのですが、その時はまだ「聖乃さんまたさらにカッコ良くなったなぁ~」くらいの感想でした。
しかし、水美さんの場面を任されることになった8月の全国ツアーが始まった途端、
聖乃さんの「水美さん化」に騒然!
「マイティ化」とか「マッスル化」とかいう言葉がネットに溢れました。もちろん褒め言葉です。
一瞬、水美さんかと錯覚するくらいの動きと筋肉。
全ツの聖乃さんはスゴかった。
短期間でよくぞここまで仕上げてきましたね。さすが負けず嫌い。(褒めています)
実力と才能のある人が正しい努力をすると、こんなに成果がでるんですね。
少し弱いと思われていたダンスを強みに変えるための正しい努力。
聖乃さんの脱フェアリーはお芝居ではなくショーがきっかけだったという、意外な展開となりました。
「The Fascination」で歌唱力がさらにアップ。
勢いのある時って、今後の役者人生を左右するようなとんでもない役を引き寄せます。
それが「冬霞の巴里」のヴァランタン。
ラストの復讐に向けてエネルギーの持って行き方が、とにかく素晴らしくて、よく練られた役作りに感嘆しました。
フェアリーのイメージが強い聖乃さんに、アナーキストというぶっ飛んだ役を当てた指田先生もスゴイ。
先生のおかげで役の幅が広がりました、ってもんじゃないくらい広がりました。笑
聖乃さんの舞台姿には、明日海さん、柚香さん、瀬戸さん、水美さん、鳳月さん、真飛さん…たくさんの上級生のエッセンスを感じます。
それだけ聖乃さんが素直でマジメに上級生からいろんなことを学び、努力を重ねてこられたからでしょう。
出し惜しみせず、いまできる精一杯を全力で出しきっている聖乃さんを見ていると、こちらまで生命力が沸いてきて元気になれます。
人に希望を与える舞台ってこいういことなんですね。
芝居よし、歌よし、ダンスよし、ビジュアルよし。
その上、自分の意見を的確なことばでしっかり伝えられるトーク力も持ち合わせていて、将来、真ん中に立つ姿が目に浮かびます。
ですが、それは花組で?
本音を言えば、柚香さん、水美さん、永久輝さん、聖乃さんという黄金の並びを長~く見ていたい。
しかし、そうなると聖乃さんが真ん中に立つのはいつになるのやら。
そこで万博アンバサダーたちのシャッフル組替え説がでてくるワケですが…その話はまたの機会に。
こうしている今も、才能に甘んじることなく長所をさらに伸ばし、弱いところを強みに変えるために正しく努力しつづけている聖乃さん。
すごい勢いで進化していく彼女から目が離せませんね。
これからもずっと応援していきたいと思います。