月組『DEATH TAKES A HOLIDAY』の感想(作品編)につづき↓
キャスト編を記したいと思います。
あれれ?「DEATH TAKES A HOLIDAY」配信感想
キャスト編の前に本日の配信の感想を少しだけ。
初日直後に観劇したときはキャストの勢いに客席が巻き込まれる高揚感がありましたが、
あれれ?きょうは歌も芝居もテンポが遅く感じるところがありました。
配信やBlu-ray収録のため より丁寧を心がけたのかも知れませんが、少し間延びした印象。
舞台は生モノとはよく言ったものですね。ちょっとのことで印象がガラリと違ってきます。
感想・キャスト編
逆でもよかった?
トップスター相手に歌って踊って大活躍の白河りりさん(103期)。
歌が上手なのは言うまでもなく、明るく振る舞いながらも未亡人の寂しさがにじむ演技がよかったです。
きよら羽龍さんは自分に興味のない人に猛烈アピールするいじらしい乙女がハマっていました。
ところで配役はオーディションで決められたのでしょうか。
というのも、きよらさんと白河さんが逆でも面白かったのではと。
乙女(少女)の役が多いきよらさんは役の幅が広がりますし、白河さんはコメディもイケそうだし。
別格へと移行?
息子を亡くした悲しみを切々と歌い上げた白雪さち花さんも、悲しみから記憶があやふやになった祖母をチャーミングに演じた彩みちるさんも素晴らしかった。
しかし本来、学年順なら白雪さんが祖母で 彩さんが母のハズ。
う~ん、かつて月城さんの2番目の相手役かと言われた彩さんんが、これからは別格へと移行するのか気になるところです。
男役たち
コメディエンヌの才能を発揮したというより、月組らしく、努力に裏打ちされた『計算された笑い』を届けた佳城葵さん。
役の幅が広がりましたね。いつかパーチェスターをやってもらいたいな。
4分以上の歌唱で聴かせた夢奈瑠音さん。出番は短いものの、シリアスからロマンスまで見せ場が凝縮されていましたね。
それはそうと、衣装を引き抜くあの演出いる?って思ったのは私だけではないはず。
連つかささん(97期)は2.5枚目の役がうまい!紳士っぷりと子供っぽさが両立して魅力的でした。
ボーイ長の瑠皇りあさんは歌ってよし、芝居してよし。
華やかな美貌ながら『陰』を感じさせるところが月城さんと似ているように思います。
風間柚乃、海乃美月
風間柚乃さん(100期)が上級生娘役の父親&副組長の夫を演じても、もはや誰も驚かない。うまい!と唸るだけです。笑(きょうは珍しく2回もセリフを噛んだのでBlu-rayは差し替えてあげて~)
渋い役も悪役も似合いますが、そろそろ正統派2枚目がみたいですね。
海乃美月さん(97期)が演じたのは、21歳にもなって「お月さまとお話してくる」と言っちゃうファンタジーヒロイン。笑
でもじつは誰よりも強い人物なんですよね。そのあたりを上手に演じていたと思います。
月城かなと
月城かなとさん(95期)はファンタジーにリアルをもたらす天才!
コメディとシリアスを一瞬にして切り替えられるのもスゴイですし、爽やかさも色気も自由自在。
なにより歌詞がストレートに届くのが良い。
ビジュアルの良さ、芝居上手に加え 歌唱力も飛躍的にアップして非の打ち所がない!と言っても本人は現状に満足しないところがまたステキ。
じつは3回観劇して一番芝居に変化があった人が月城さんだったのです。いったいどこまで進化するのでしょう。
あと、マニアックなポイントをひとつ。
体をスマートに見せる男役が多い中、肉厚なボディを想像させる月城さんのスーツの着こなしがとても好きです。
笑って泣いて考えさせられた「DEATH TAKES A HOLIDAY」。
現地で観劇したとき、終演後に乗り合わせたエレベーターで「宝塚ってこんなに面白かったんだね」という男性の声が聞こえてきてとても嬉しかったです。