花組「冬霞の巴里」初日観劇感想・永久輝せあ、聖乃あすか、星空美咲

冬霞初日感想 花組

花組ドラマシティ公演「冬霞の巴里」初日観劇しました。

本記事ではネタバレなしでレビューを綴ります。

花組「冬霞の巴里」感想・ネタバレなし

衣装やメイクにゴシックホラーの要素が入った復讐の女神が舞台にうごめき、薄気味悪さが漂う独特の世界観。

宝塚の枠をこえて「重厚なお芝居を観た」というのが初見の感想です。

笑いの要素は一切はいっさいありません。

それどころかホッとするシーンすら数カ所で、あとは張りつめた空気が劇場を支配しています。

永久輝さんも「何度でも身も心も震えにいらしてください」とカテコでおっしゃるほど。

※ナイフ、剣、ピストル、ダイナマイトなど物騒なモノが出てきてヒヤヒヤするシーンあり。
血は赤い布で代用されていますが苦手な方はご観劇時ご注意ください

ストーリーはただの復讐劇で終わらせず、
オクターヴ(永久輝)のこども時代をからめ復讐の迷いや葛藤をしっかり描いて見応えありました。

登場人物たちの過去が徐々に明かされていくのもハラハラドキドキ。

とくに聖乃さん演じるヴァランタンの殺気のワケと彼が迎える結末に衝撃が!

そして永久輝さんや主要キャストが歌う難しい曲の数々。

全てにおいて個々の舞台技術の高さが要求される凄まじい作品です。

それを初日によくぞここまで!
素晴らしかったです。

フィナーレ

本編の世界観を崩さず大人っぽい雰囲気でとてもステキなフィナーレでした。

ラテン曲をベースに

・聖乃さん中心の男役×娘役ダンス
・永久輝さんと星空さんデュエダン
・永久輝さんと下級生男役(聖乃、飛龍、希波、侑輝)ダンス
・永久輝さんソロダンス

地毛の永久輝さんカッコよかった~。

永久輝さんと聖乃さんのデュエダンのような絡みが特に好き。

白塗り&目のまわり真っ黒メイクのまま、優雅なダンスを披露する復讐の女神たちにくぎ付けです。

永久輝せあ・オクターヴ

ポスターからそのまま抜け出してきた神ビジュアルで

マント姿もポケットに手を突っ込む仕草も、眉間のシワも、何から何まで色っぽくて見惚れました

だからといってオクターヴは成熟した大人の男ではなく、感情的に怒ったり拗ねたり落ち込んだりする危うさを持ち合わせいて、それがまた魅力的なんです。

そして彼とともに復讐を遂行する姉(星空)との距離感が絶妙。

姉弟という堤防が破壊されるのか、されないのか、気になって気になって…笑

永久輝さんの熱い視線にドキドキしました。

音域が広く難しい曲も余裕の歌いあげ。

この作品は歌が多いのにストレートプレイを見たような感覚に陥るのは、永久輝さんの歌詞を届ける歌の技術が卓越しているからだと思います。

「冬霞の巴里」は主演が永久輝さんだから出来た作品なのは間違いありません。

フィナーレは永久輝さんの「カッコいい」を詰め込んだ構成で、とくに指先にまで神経の行き届いたソロダンスは素晴らしかった~。

星空美咲・アンブル

観劇するまでは『星空さんは妹設定にしたほうが良いのでは』』と思っていましたが、上級生の永久輝さん相手に包容力のある演技で姉を好演。

星空さんの頬を流れる涙が美しくて見入ってしまいました。

そして歌がまた上手くなりましたね。
永久輝さんと声の相性もよくお二人のデュエットはもっと聴いていたかったな。

初日の3月25日は星空さんのお誕生日
カテコで
みんなにお祝いされてとっても嬉しそうでした。
おめでとうございます。

聖乃あすか・ヴァランタン

片側カリアゲのヘアスタイルに眉毛の中間をそり落とした奇抜なビジュアルがとってもお似合い。

「底の知れない危ないヤツ」として大きな存在感を放っていました。

あぁ、フェアリー聖乃あすかはどこへやら。
憑依型のスゴイ演者になりました。

フィナーレで真ん中で踊る聖乃さんの求心力よ。

ダイナミックなダンスに磨きがかかっています。

その他キャスト感想

飛龍つかさ・ギョーム
過去に犯した罪には彼なりの正義があったのですが、時が経った今でも幻覚に苦しめられます。
善や悪を客に問う難しい役を飛龍さんはさすがの演技力で魅せてくれました。
歌はもっと長く聴きたかったな~。

愛蘭みこ・エルミーヌ
育ちがよく天真爛漫なエルミーヌは束の間オクターヴの心に安らぎをもたらすステキな娘さん。
愛蘭さんにピッタリ。歌もとってもお上手。

希波ライト・ミッシェル
兄オクターヴが復讐を企てていることを知らず平和で幸せに生きる純粋な弟。
透明感のある爽やかな演技で愛情いっぱいに育ったお坊ちゃんがハマっていました。
異次元のスタイルで衣装の着こなし完璧です。

花組「冬霞の巴里」
こんなにも展開が読めずハラハラした作品は久しぶり。

人間について深く考えさせられる作品ゆえ観劇後の感想は複雑です。
でもきっとそれが正解なのだと思います。

「暗いお話しですが、楽屋ではワチャワチャ賑やかに楽しく過ごしておりますのでご安心ください。」という永久輝さんのごあいさつに笑ってしまいました。

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