ご遺族との合意書締結により一区切りついた宙組問題。
宝塚GRAPH11月号の不適切発言についても、阪急グループ(宝塚クリエイティブアーツ)側が正式に謝罪するというカタチで一応の解決をみたのですが、
謝罪文訂正という前代未聞の知らせに驚きを隠せません。
宝塚GRAPH11月号・不適切発言掲載
謝罪文の改正って
さかのぼること昨年秋。
宝塚GRAPH11月号に掲載されたあるコーナーにおいて、宙組生による以下のような発言がありました。
『ヘアアイロンを持って行こうかな。絆創膏など欲しくなるかもしれないものがたくさん入っています(笑)』
宝塚GRAPHは個人的にも毎月愛読している劇団誌で、この号も心踊りながら読み進めていました。
しかし、この文が目に入った瞬間、サーッと血の気が引いたと同時に、これを目にしたご遺族の心情を思い、いたたまれない気持ちになったのを覚えています。
そしてご遺族が『発言が掲載された経緯の説明』を求め、3月28日にクリエイティブアーツがHPに経緯説明と謝罪文を公表したわけですが、これで終わらなかった。
『3月28日に掲載した内容を4月5日付で一部変更』とし、訂正版が掲載されたのです。
両文を読み比べて見えてきたのは、主に以下の3点が明確になったことでした。
・火傷の件で多大な心理的負荷を受けたことを軽視する不適切な文であったこと
・発刊のタイミング(生徒の◯の前後だけでなく、◯がなかったとしても)に関わらず不適切な文であったこと
・『(笑)』は編集者が勝手に記したわけではないこと
(笑)記述の真相
この中でも特に注視したいのは3点目の「(笑)」についてです。
というのも合意書が締結された際の会見で、ご遺族側の代理人が「ヘアアイロンの件に関わった上級生の謝罪文はまだ受け取っていない」と発言したのは記憶にあたらしいところ。
謝罪の意志はあるけれど間に合わなかっただけなのか、そうでないのかは、われわれが知るよしもありません。
そしてその後、提出されたのかどうかも不明です。
ご遺族の心情として、GRAPHの編集者が勝手に(笑)を記したのか、それともインタビューの場で実際に上級生が笑ったから記したのか、
または上級生自身が記したのか、事実を知りたいと思うのは当然のこと。
事実が明らかにされた上で謝罪を受けることに大きな意味があると思います。
なのに劇団が3月に掲載した謝罪文では、肝心のところが曖昧にされたままで、この期に及んで上級生を守っていると受け取りかねない内容でした。
そしてこのたび、前代未聞の謝罪文訂正というカタチに落ち着いた背景には、どこからの指摘があったのかは想像に容易いところ。
訂正版ではインタビューが行われたときの様子がハッキリと記さています。
「劇団員は『汗かいた(場合に備えて)着替えをたくさん持って行くとか、あとは、絆創膏とか』と発言し笑いました」
なぜこれを一回目に記さなかったのか。
相変わらず対応が後手後手で、本当に残念です。
劇団誌に願うこと
そもそも、だれか一人でも良識を持ち、
不適切発言のGRAPH掲載を踏みとどまってくれていたらと、今さらながら悔やまれてなりません。
訂正文の最後にも記されているとおり、
今後はこのような事態を二度と生じさせることのないよう、記事制作に一層の留意を徹底してもらいたいと思います。