ミュージカル「ガイズ&ドールズ」
初日観劇しました。(A席1階後方サイド)
一言で感想をのべるなら、上品でオシャレなガイズ&ドールズでした。
ガイズ&ドールズ初日感想
フィルム映画のようなスタート。
キャストやスタッフの名前が透けるスクリーンに映し出され、その奥(ニューヨークの街中)で人物が行き交います。
「ネイサ〜ン」と言いながら走り去る望海さんにさっそく笑いが起こりました。
さすがアメリカの舞台スタッフさんだけあって、セットがダイナミック。
三階建のビルを一棟、舞台上に建ててしまいました。しかもそのビルがセリ下がったり回転したり。
飛行機にのるための階段が、機内シートや地下鉄の階段になるのもスゴい。
大きなセットが舞台上で回転しまくるのでキャストは段取りが大変だと思います。
カテコで井上さんが「無事に公演できて良かったです、いや、無事じゃない人もいるかもしれないけど」と笑いを誘っていましたが、初日には大きなトラブルはなかったように思います。
照明の明るさにまでこだわり抜いたオシャレな演出、オーバーチュアから始まるオーケストラの素敵な演奏、ダンサーさんの高いジャンプに惹きつけられます。
そしてなんと言っても井上さんをはじめ、キャストの皆さんが上手い!
圧倒的な歌を聴かせるというよりは、自然な会話劇の中に歌が挟まれている感じなので、なめらかな切り替えに相当な技術を要すると思います。
井上芳雄・スカイ
井上さんは帝国劇場を知り尽くしているだけあってマイクの声の乗せ方、セリフと歌の声量コントロールが完璧!
スーツの着こなし、ハットの使い方、脚を組む姿、どの瞬間もステキでした。
井上スカイの一番好きなシーンは、ネイサンたちを集会に連れて行ったあと、帰ろうとするギャンブラーたちに凄味をきかせて黙らせることろ。
百戦錬磨の男の本気、最高にかっこよかったです。
酔っぱらった明日海サラに振り回されながらも、優しく気づかう紳士っぷりにキュンとしました。
ところで、明日海さんと本当に○スしてるんですね。
私の席からは角度的に見えなかったので、てっきり宝塚式かと思っていましたが、なんと2回3回も…らしいです。
それを知って今さらドキドキしております。
井上さんは流石のトーク力で、カテコの挨拶で全員に鋭く突っ込んで笑いに変えていました。
明日海りお・サラ
明日海さんほこれぞヒロインという華があり、舞台のどこにいてもキラキラ輝いていました。
華奢な体に赤いピタッとした制服がよく似合う。
マドモアゼルモーツァルトの時と同じく、みんなによく担がれていて宙に浮いていました。
井上さんに軽々お姫様抱っこされた時、隣の席から「ひゃっ!」と声が。笑
初日ということもあり、お芝居も歌も少しかたさが見られましたが、ハバナの酔っ払いのシーンは本領発揮!
ろれつの回らないしゃべり方、フラフラの足元…とってもチャーミングでした。
そして明日海さんの一番良かったシーンは、望海アデレイドとのお芝居&デュエット。
望海さんとのコメディの間もバッチリで、よくウケていましたし、御本人たちもとってもやりやすそうで伸び伸びしていて、これが同期芝居かと。
カテコのご挨拶ではゆるふわ明日海りお時間が流れました。
そして期待どおり、「みなさん健康に気をつけて生きてゆかれてください」で締め。
井上さんの「(明日海さんは)何も間違ったことは言っていない。こんな挨拶する人いるんだ」に客席爆笑。
浦井健治・ネイサン
お茶目で人懐っこくて憎めないネイサン。
将来確実に望海アデレイドに尻に敷かれる感じ。笑
浦井さんの全身から良い人感がにじみでていて、登場するたびに柔らかい空気が流れています。(ギャンブラーなのに)
透明感のある歌声も心地よくて、望海さんとの声相性バッチリ!デュエットは永遠に聴いていたい。
浦井ネイサンの一番好きなシーンは、サラにそれとなくスカイの気持ちを伝える(スカイは賭けに勝ったのにサラを想って負けたと言う)ところ。
こういう仲間思いで優しいところが、望海アデレイドをメロメロにするんですね。納得。
カテコで井上さんに突っ込まれまくってて、お二人の仲の良さを感じました。
望海風斗・アデレイド
誰よりもたくさん着替え、誰よりも笑いをとる望海さん。
三編みおさげにチェックのワンピ。それを脱いだら肩出し超ミニワンピ。スラリと伸びた脚を惜しげもなく披露。
そして2幕ではガーターベルトにへそ出しランジェリー姿、ラストはウェディングドレス。
望海ファッションショーです。
「風邪こじらす」は初めて聴く声色でした。いったい望海さんは何種類の声をもっているんでしょう。
お芝居から歌に入る自然さに感嘆しました。
ネイサンに対して弱気になったり強気になったりするのが可愛くて、応援せずにはいられません。
ただ、初日なのでまだ少し遠慮気味かな。
公演を重ねるごとに望海アデレイドちゃんはどんどん自由になると思います。
カテコで、女性式のお辞儀の仕方が分からずアタフタしながら「これであってますか?」と。
すかさず田代さんが「こう」と見本を見せて、井上さんが「なんでマリオが知ってるんだよ!」と笑いを誘っていました。
それにしても望海さんも明日海さんも徹底した役作りで、舞台の上ではまったく元男役感が出ないのは本当にスゴいなぁ。
その他感想
田代さんの集会の歌は絶品。竹内さんの滑舌のいいお芝居が気持ちいい。未沙さん登場の安心感。
石井さんらベテランがしっかり脇をしめ、アンサンブルや通行人、モブ芝居も洗練されていて極上の舞台だと思います。
ただ、初日だからか、席の問題か、期待しすぎたからかは分かりませんが、全員が丁寧すぎて少しこじんまりした印象でした。
これから公演を重ねていけば、どんどん遊びも増え、さらにおもしろみが増すと思います。
はやくも次回の観劇が楽しみです。
ちなみに劇場内ロビーでの物販会場は、グッズ販売列とプログラムのみの列に分かれています。ご参考まで。