星組全国ツアー公演「バレンシアの熱い花/パション・ダムール・アゲイン」配信視聴しました。
『バレンシアの熱い花』感想
MVPは瀬央ゆりあ
本日の個人的MVPは瀬央さんです。
ちょっと痩せました?
いえ、引き締まって野性的で『雄感』たっぷり。
色気もあり面白味もあり、お芝居もショーもとってもカッコ良かったです。
広島凱旋公演も大盛況だったようで、いまの瀬央さんは自信にみち溢れていますね。
伝統継承・凪七瑠海の存在
すこしマジメに語ると、価値観が多様化した現代において、宝塚の名作といわれるものでもアレンジする傾向にある中、
星組版『バレンシアの熱い花』は、柴田作品をそのままやることの尊さ、伝統を継承していくことの大切さを感じた公演だったように思います。
ナウオンでのエピソードですが、
凪七さんは初演の映像を私物として持ち、それを惜しげもなく下級生たちに見せ、柴田先生直々の教えを伝えていたそう。
宝塚の男役とは、品格とは、伝統とは、という問いに向き合いながら舞台に立つ凪七さんから、いろんなことを吸収しようと喰らいつく天飛さん。
そんな天飛さんに「これも見たほうがいいよ、これも、これも」と貴重な資料をわたして導く凪七さんは、
かつての轟さんのような役割りを担っているように思います。
極美慎と天飛華音
凪七さんのアドバイスが効いたのか、天飛さんは少ない出番のなかで、地に足のついた演技で新境地をひらいたように見えました。
一方、極美さんも表情や声に力みが感じられるものの、『子犬系男子』からみごとに脱却。
男役としての引き出しが一つ増えたように思います。
それぞれお芝居で重要な役を当てられ、ショーでも場面を任され、凪七さんのもとで全国を周るという大仕事を経験した今、
極美さんと天飛さんの成長には目を見張るものがあります。
それゆえ、超路線スター2人(極美&天飛)をいつまでもくっつけて育てるには限界があるのではと感じた次第です。
ただでさえ上級生が詰まっている星組において、中堅スターの比重を上げることと若手の育成を同時にやる難しさ。
今回は3分割という作戦で逃げ切りましたが、さてさて今後はどうなることやら。
もしかしたら『1789』以降、大量の退団者が出るかもしれないと危惧しています。
3分割が功を奏し、あらたにスポットを浴びたジェンヌもいます。
ルーカス役の夕渚さん(98期)。
凪七さん、瀬央さん、極美さんを相手に一人で大立ち回りの大活躍で、その俊敏な動きに目を見張りました。
もう一人のヒロイン(フェルディナンドの婚約者)を演じた乙華さんも、古典も出来る可憐な娘役として一気に知名度を上げましたね。
『パション・ダムール・アゲイン』感想
舞空瞳の存在感
初見では少しチグハグな印象を受けたショーにおける凪七さんと星組さんでしたが、今ではすっかり馴染んでいました。
が、予想と違ったのはお芝居のように星組生が凪七さんに寄せているのではなく、凪七さんが星組に合わせていたこと。
となりで踊る舞空さんの影響が大きいのかなと。
舞空さんは凪七さんに寄り添いつつ、うまく星組の型に誘導しているように見え、
こんなにスタンスを広くとって踊る凪七さんを初めてみたように思います(個人的主観です)
それにしてもショーの舞空さんは特別大きな存在でカッコいい!惚れ惚れしました。
【余談】ところで誰も言わないけれど…
何度もくりかえされる『パッションダムール』の主題歌。
「こ~のいのち~つづく~か~ぎ~り~~」のぎの音程、気になりませんでしたか?笑
本日ぶじに天華さんのバウチームが完走したとのこと。おめでとうございます。
明日は礼さんの青年館が、明後日は舞空さんの全ツが、それぞれ千秋楽を迎えます。
どちらも大楽は『星組パッション!』で盛り上がりますように。