トップ娘役とは!音くり寿の退団に思うこと

音トップ 花組

現在花組公演は、8月11日までの中止が発表されています。

本日は、惜しまれながらこの公演で退団される
音くり寿さんについて記したいと思います。

(トップ人事についてデリケートな内容を含みますので読み進めご留意ください)

【追記】
嬉しいニュースが飛び込んできました。
※8月14日(日)15時30分より公演再開。
※新人公演・8月26日(金)18時30分に変更実施。

音くり寿について

音さんは、歌、ダンス、芝居、三拍子そろった舞台人です。

「Santé!!」のソロを聴いてから
音さんののファンになり、

「ハンナのお花屋さん」のアナベルのいじらしさに、音さんの芝居のとりこになりました。

音さんがトップ娘役になってくれたら
「エリザベート」や「ファントム」など
海外大作やり放題だ!と期待していました。

音さんご自身も、カフェブレイクで
エリザベートをやりたい」と明言していましたし、

トップ娘役になりたい気持ちがあったのだと思います。(憶測です)

ではなぜ、音さんやファンの願いは叶わなかったのでしょうか。

こんなに実力のある人がトップ娘役になれないなんて、

トップ娘役って一体なに?

音さんは、2014年入団の100期生です。

明日海さん主演「Ernest in Love」
研2にして2番手役に抜擢され(役替わり)、一気に知名度を上げました。

つづく「ミーマイ」新公でWヒロインを務め、

このとき誰もが『音さんは城妃さんと共にトップ娘役候補として育てられるのだな』と思いました。

ですが、そうではなかったんですね。

芹香さん主演「MY HERO」で朝月さんとWヒロイン

研4とは思えない安定したお芝居でしたが、

音さんは当時を振り返り「マイラという役には後悔が残っています」と語られました。


ジェンヌなら誰しも、あとから振り返って『あの役をもっと上手くできていれば』と後悔するような、

良くも悪くも将来を左右する役というのがあるのだと思います。

凪七さん主演「蘭陵王」で東上ヒロインを演じ、好評を博しました。

しかし仙名さんからトップ娘役のバトンを渡されたのは、同期の華優希さんでした。

個人的には「蘭陵王」という作品が好きで
凪七さんや音さんの代表作だと思っています。

『お二人がどこかの組でトップコンビを組んでくれないかな』と期待を抱いたりもしました。

しかし、音さんはこのころから別格娘役として起用されはじめます。

・「花より男子」いじめっ子
・「マスカレードホテル」犯人役
・「元禄バロック」争いごとギライな将軍
・「TOP HAT」有閑マダム

つぎつぎに個性的な役が回ってきます。

音さんの『怪演』と呼ばれるお芝居は、舞台を支配するような圧倒的なものに変化していきました。

『浮いている』というより、『音さんオンステージ』といったところでしょうか。

みなさんがおっしゃるとおり
『すべてが宝塚の枠を越えている』という表現が一番しっくりきます。

ただ、豹変するような役を上手く演じれば演じるほど、芝居技術を見せられているようにも思いました

個人的に、娘役トップになることは、ある意味、男役トップになることよりも難しいと感じています。

もともと宝塚の娘役というのは
男役ありきなところがあり、

ましてトップ娘役となると、トップスターの相手役になるわけですから、

本人の実力よりも 男役トップとの相性やタイミングがものを言います。

身長、ビジュアル、芝居、歌、ダンス、性格、学年差…

これらは本人の努力ではどうしようもないことだらけ、と言ってしまうと身も蓋もありませんね。

ですが、それほど娘役トップになるということは複雑な事情が絡むということです。

結局、華さんからトップのバトンを受け継いだのは、宙組から組替えしてきた星風さんでした。

劇団が柚香さんに合うのはこの二人だと判断したのでしょう。

音さんがどんな思いで同期2名がトップになっていく姿を見ていたのかを想像すると、やるせない気持ちにもなります。

(もし芹香さんが花組トップになっていたら、音さんが相手役だった可能性もあったのではないかと

仙名さん、朝月さん、海乃さんのように
長く続けていれば相性のいい男役トップに巡りあうタイミングや運が回ってくるかもしれません。

そうでなくても、音さんのような歌姫は
これからもずっと活躍の場が与えられるでしょう。

ですが音さんは退団という道を選ばれました。

大劇場千秋楽で見せた幸せそうな笑顔。

音さんはしっかり前を向かれているようです。

東京公演が8月14日から再開され
さらに進化した音さんら花組の舞台を楽しみにしています。

そしてぶじに大千秋楽をむかえられますように。

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