宙組千秋楽・留依蒔世の退団に思うこと

留依の退団に思うこと 宙組

宙組東京公演
『HiGH&LOW/Capricciosa!!』千秋楽。


ついに留依さんのご卒業の日が
やってきてしまいました。

そこで留依さんをはじめ
中堅スターの相次ぐ退団について
思うことを記したいと思います。

留依蒔世をはじめ路線スターの退団に思うこと

留依蒔世について

留依さんは『HiGH&LOW』で
すべての悪を一手に引き受けるリンを演じています。

男役の集大成として、リンという演じ甲斐のある役に巡り合えて良かったなと思います。

さらに『Capricciosa』では
みごとなエトワールを轟かせ
どこまでも伸びるロングトーンに観客は熱狂。

最後の公演でやっと、本当にやっと
実力に似合った活躍の場を与えられましたね。

千秋楽に未練がましいですが
もう一度言わせてください。

留依さん、やめないで~。

留依さんは
中卒入団で97期首席にして
初詣ポスターにも選ばれた逸材。

ですが、ケガの休演に泣き
新公主演も1回に留まり
実力派路線へと舵を切ることに。

ようやく大役が回ってきた
『プロミセス・プロミセス』
『カルトワイン』

歌やダンスが素晴らしいのは知っていましたが、役者としての力を見せつけた公演でした。

それなのに2作とも映像化はおろか
配信すらされず悔やまれます。

『ネバセイ』のパッショナリアはオーディションで勝ち取った役なのだとか。

気迫に満ちたパッショナリアで
短い出番ながら爪痕を残していました。

今思えば、退団を決意していた輝きもプラスされていたのかなと。

スターの歩みとして
一度もストップをかけられず
順調にトップスターに上り詰める人がいます。

その一方で、新公主演をしながら
下級生に抜かされ、別格へとシフトしていくという人もいます。

退団の動機

タカラジェンヌとは呼吸をするように努力する人たちです。

音楽学校に入学するまでの血のにじむような努力にはじまり、学生時代の厳しい規律

入団してからはお稽古や公演に追われる日々。

どうしてそこまで頑張れるのと感心しますが

彼女たちにとって『夢』というのは、われわれが思うより遥かに大きな原動力になるのでしょう。

しかし、コロナ禍での体験が
『夢』に向かって一心不乱に突き進んできた彼女たちに、なにかしら心境の変化をもたらしたことは間違いありません。

それが舞台に立つことへのエネルギーアップだったり、客やスタッフへの感謝の気持ちが増すことだったり、人によって様々。

ふと現状に疑問を抱いたり
OGのSNSに影響を受け
これからの人生について考えた人もいるでしょう。

また、コロナがなくても
男役は中堅学年になると
別格として残るか
新たな世界へ飛び出すか
という問題に直面すると思われます。

その中で退団することを選んだ
留依さん、飛龍さん、綾さん、優波さん…

劇団の課題

最近行われているバウワークショップ。

この救済策がもう少しはやく行われていれば、真ん中に立つ留依さんが見られたのかなと思ったり。

とはいえ、中堅スターの餞別や引き止めのために限られた公演枠を使うというのも現実的ではありません。

新公を中継することになった今
劇団がどんなに推している路線でも
ひとりに4回も5回も主演をさせることは難しい。
(一人が独占すると非難の対象に)

それならなおさら
若手路線の勉強の場を確保しなくてはなりません。

劇団はそのための策として
別箱を3つに分けるなどして
多くの生徒に経験を積ませようとしています。

中堅スターにスポットを!
若手路線に育成の場を!

このジレンマに悩まされているわけですが

2024年の110周年の一大イベントを機に、宝塚人気の再炎を狙う劇団。

地方公演も多くなり、海外公演も復活するとなるとスター不足が一番の問題です。

そのころまでには中堅の充実と
若手の育成という2つの課題を
クリアしておきたいところ。(各組の番手問題も)

バウワークショップの次に催される救済策に注目したいと思います。

留依蒔世に栄光あれ!

留依さんの退団理由が何かは分かりませんが

子どものころの夢は
『タレント』『モデル』『テレビに出たい』『アナウンサー』だったそうです。

どれも人前に出る職業ばかりで
根っから表現することが好きなんですね。

『Capricciosa』のエトワールの絶唱が
「わたしを見て!」と聞こえるのは私だけでしょうか。

紛れもなく宝塚史に残るエトワールですし
多くの人に惜しまれながらの退団。

留依さんが最高に幸せな気持ちで
ラストデーを迎えられるといいなと思います。

そして、留依さんの第二の人生が
光りかがやく素晴らしいものでありますように。

「終わりは新たな始まりを意味する!覚えてろーっ!」by留依蒔世

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