前記事では
月組「グレート・ギャツビー」の感想を
月城さん、海乃さん、鳳月さん、風間さんについて記しました↓
今回は、そのほか月組の芝居上手さんや
期待の若手について記したいと思います。
ネタバレありですので読み進めご留意ください。
月組「グレートギャツビー」個々感想
月組の…と言いながら、
いきなり専科の輝月さんの感想からです。
輝月ゆうま・マイヤー
マイヤーは、貧しかったギャツビーを拾い上げ、裏社会に引きこんだ男。
ニック(風間)相手に
自慢話をコミカルに披露しながら
「われわれの友情は生きている間だけ」
と、ラストにつながる伏線となるセリフを
しっかり印象づけるのはさすがです。
元月組の輝月さんは、組子の中にしっかり交じりつつ、
専科としての役割をみごとに果たし、舞台を引き締めていました。
闇仲間を引き連れて歌うシーンは輝月さんオンステージでたのしい。
光月るう・ジョージ
自動車のススで黒く汚れた服と顔。
質素で堅実にガソリンスタンドを経営するジョージ。
愛する妻を殺された怒りと悲しみで
常軌を逸していく光月さんの演技が光っていました。
ラスト、ギャツビーを撃つシーン。
月城さんとの二人芝居は手に汗にぎる緊張感。まさに芝居対決です。
天紫珠李・マートル
ジョージの妻であり、トム(鳳月)の愛人。
派手好きで自分の欲望に忠実なマートルを、天紫さんは宝塚の娘役らしく品を保って表現していました。
そこが安心して観られる点でもあり
少し物足りない点でもあり…
全キャストの中で、これから一番変化していくんじゃないかと感じました。
ジョーダン・彩みちる
デイジーの友人でプロゴルファー。
彩さんはこの時代のモダンな衣装とヘアがとってもお似合いでした。
サバサバした性格で、彼女なりに友人のデイジーを心配するのですが、その距離感が絶妙。
ウブなニック(風間)を手のひらで転がすところなんか、とってもうまい!
白雪さち花・デイジー母
貴族社会のしきたりを何よりも重んじる女性。
ギャツビーに娘と分かれるよう脅しをかけるシーンは、観ているこちらがひるんでしまうほどの大迫力。
短い出番ながら強く印象にのこりました。
白雪さんはデイジー母意外にも、
ジョーダンの対決相手のプロゴルファーとして登場し、スカッとするスウィングを見せてくれています。
目立つ下級生
彩海せら・ルディ
デイジーやジュディーのいとこで、
ジュディー(きよら)に気がある男の子。
さわやかな彩海さんにお似合いで、純粋でかわいい少年を好演。
歌のシーンもあり、二幕冒頭にはタップリ彩海さんの美声が聴け嬉しかったです。
力まず自然体で声を響かせ、本当にお上手ですね、
瑠皇りあ・ギャツビー(少年)
美貌の瑠皇さんは月城さんの少年時代がピッタリ。
透明感のある声で読み上げられるギャツビーの日記、
「毎週5ドル、いや、3ドル貯金する」
少年時代のギャツビーがいかに努力してきたか、涙がでました。
瑠皇さんは他の場面にもたくさん登場しているので、探すのが密かな楽しみです。
期待される若手の役といえば、
ドアボーイ。
この作品でドアボーイを務めるのは
107期の天つ風さんです。
思わず目を引くスラっとした美形、
これから押し上げられるであろう注目の一人です。
その他にも、酒場のシンガー咲彩いちごさん、影ソロの白河りりさん、エトワールの一乃凛さんの歌声には心あらわれました。
ダンスで魅せたのは菜々野さんと美海さん。
レビューシーンで見事なバレエを披露していました。
この公演は、芝居上手さんだけではなく、
歌上手さんや、今後注目すべき下級生を
たくさん発見ができたのは嬉しい収穫です。
小池先生があらたに手を加えブラッシュアップした
2022年月組「グレート・ギャツビー」
物語の本質は変えず、豪華なレビューシーンの追加や、歌の場面を増やしたり、積極的に下級生を抜擢するなど、
多方面から楽しめるエンターテインメント作品に仕上がっていると思います。
【あとがき】
こうして記事を書いている間に
雪組「心中、恋の大和路」7月26日公演中止という、ショックなニュースが飛び込んできました。
体調不良者が発生したということですが、どうか大事ありませんように。
※追記
残念ながら千秋楽までの全公演の中止が発表されました。
感染された方のはやいご回復を心より祈っております。