さすがの月組芝居『RYOFU』新人公演感想


本日は月組『RYOFU』新人公演を配信で観ました。

この作品は、研20超えの圧倒的な技術と貫禄を持つ鳳月杏さんに当て書きされた重厚な作品です。

それを7年目までのメンバーだけで、一体どこまで迫れるのだろうかと見守っていましたが……流石は『芝居の月組』。

いやはや、よくぞここまで武骨に泥臭く仕上げてきたなと大変感動いたしました。

美颯りひと、薫乃咲月、和真あさ乃

満を持しての初主演。呂布を演じた美颯りひとさんは可愛い笑顔を封印し、狂気じみた笑みを浮かべながらの大惨殺!重厚な衣装での殺陣のシーンが多く、大変だったと思いますが、その大変さを感じさせない機敏な動きと周囲との見事な連携。抜群の集中力。

線の細さも衣装の着こなしでカバーできていたと思いますし、滑舌も良く、歌も安定。血管が浮き出た『手』も男役らしくてステキでした。しっかりとした舞台技術を要し、気合いだけではどうにもならないこの作品の主演に彼女が選ばれたのも納得です。

ヒロイン(雪蓮)の薫乃咲月さんは、最初の歌こそ緊張が見られましたが、話しがすすむにつれ本領発揮!研3ながら色気があり、貂蝉のような大人っぽ表現もお上手!本公演での『肉裂きの子』もそうですが、引き出しが多いので今後もいろんな役が見てみたいですね。

安心安定の和真あさ乃さん(董卓)は、期待の上をいく素晴らしさ。宝塚でも滅多にない『悪役』を本役の風間柚乃さんと同様、気持ち良いまでに振り切って演じてくれました。周りを恐怖に陥れる空気感の出し方も上手いですし、歌も抜群!和真さんの存在がこの新公を格上げしたのは間違いありません。長のご挨拶も立派でした。

その他のキャスト感想

翔ゆり愛さん(109期)は、甲冑が似合う恵まれた体格に華のある端正なお顔。董卓を崇拝するが故に闇落ちしていく李粛を持ち前の舞台度胸でダイナミックに演じていて良かったです。次回、トップ退団公演の主演を手にして一気に路線街道を突っ走りたいところ。

興味深かったのは天つ風朱李さん(107期)で、熱さと冷静さのバランスが絶妙。彼女のセンスにかかると李儒がこんなにも掴みどころのない『策士』になるんですね。翔さんの感情が分かりやすい李粛に対してこの李儒。役作り大正解!お二人のバランス良かったです。

そして大注目の瑠希友杏さん(子呂布/曹操)。小顔でスラッとしたビジュアル、ツルツルのお肌。研2(111期)にして見せ場のある2役を堂々と演じきり爪痕を残しましたね。

さらに、雅耀さん(108期)が丁原役で重厚なおじさま役に挑戦して存在感を示しました。すでに新公2回の超路線ではあるけれど、別格役もしっかり表情をつくって熱演しているところを見ると、本当にお芝居が好きなんだなぁと。

相星旬さんが王允役でお芝居を締め、乃々れいあさんが迫力満点に何皇后を演じメリハリを。飛翔れいやさんが超脚長の神スタイルで赤兎馬を人外の美しさで体現したかと思えば、そのシーン、111期・雪乃あいさんのカゲソロに度肝を抜かれるという。研2にしてあの劇場の空間を支配する歌唱力。大劇場公演のデュエダンのカゲソロも歌ってほしいな。

花妃舞音さん美渦せいかさんらヒロイン経験者たちが、おばあさま役や母親役といった脇の重要な役に回って舞台をガッチリと支えていたのも頼もしかったです。

それにしても見応えのある新人公演でした。月組らしく一人ひとりが職人のように自分の役を緻密に練り上げ、かつ、全体を俯瞰してバランスを計算しながらの芝居構築。こんなことが新公メンバーだけでできるんですね。素晴らしかったです。

今後も引き続き、この頼もしい月組の下級生たちの活躍を見守っていきたいと思います。

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