現在、順調に行われれいる
雪組大劇場公演『蒼穹の昴』
朝美絢さんについては記しましたが↓
今回は主演の彩風さんについての雑感を記したいと思います。
彩風咲奈
彩風さんの大きな魅力といえば
抜群のスタイルを活かしたダンスでしょう。
その彩風さんが『蒼穹の昴』で一本物をやると発表された時、
トップ3作目にして代表作を当てるべくこの演目をもってきたんだなと、劇団の本気を感じました。
そしてその計算はドンピシャ!
専科6名出演、セットや衣装の豪華さも破格。
作品自体も見応えあり、『蒼穹の昴』は成功といっていいでしょう。
彩風さんのインタビューを読んで驚きました。
もともとの私はちょっと融通の利かないところがあって、取り組んでいる作品以外のことを考えている自分が許せないところがありました。学年が上がってからはテレビも滅多に見ませんでした。もしほかのことをしていて翌日の舞台がうまくいかなかったらそのせいだ……という気持ちになってしまっていたんです
婦人画報より
ここまでストイックに自分と向き合っているのですね。
彩風さんといえば、研3で新公初主演という超御曹司。
おなじく研3で新公をとった
華世さんも超大型新人ですが、
彩風さんの何がスゴイって
5回も主演を経験していること。
新公もライブ配信する時代になり、SNSが盛んになった現在
どんなに劇団が推していても5回もさせる生徒が現れるかと言われれば、難しいでしょう。
彩風さんの5回というのは今後抜かれることのない記録なのかなと思います。
彩風さんには『若くから抜擢され続けたからこその真ん中力』というものがあります。
ブレない芝居や、ダンスの求心力もそうですが、公の場での聡明な発言にもそれが現れています。
『ODYSSEY』のご挨拶で、
公演が中止になってしまった
『心中、恋の大和路』チームへのエールを
コロナや中止というネガティブな言葉を使わず、
『ただひとつの、ただひとつの愛で』と
間接的に表した言葉のチョイスに感心しました。
そんな賢さと器の大きさが、『蒼穹の昴』の文秀とかさなり
やっと本質的に彩風さんに合う役がきたな、
まさしく代表作になったな、と感じました。
彩風咲奈のこれから
彩風さんは『蒼穹の昴』で朝月さんを見送り
その後、夢白さんという2人目の相手役を迎え新たにスタートします。
若くから抜擢された彩風さんですが、コロナの影響もあり、トップに就任したのは研15。
それゆえ注目されるのは、任期についてです。
2024年に雪組100周年という大ベント(おそらく上半期)が迫っていますので、
生え抜きである彩風さんがふさわしいのではと思っています。
そして同年に行われる宝塚110周年イベント(おそらく下半期)ですが
果たして、これも彩風さんが雪組の顔として登場するのかどうか。
後任が朝美さん(95期)だとすると、110周年は朝美さんが雪組の顔になるような気がしますが、
7作以上が想定されるなら
110周年も彩風さんということになります。
トップ・彩風
2番手・朝美
3番手・和希
そうなると彩風さんが任期を全うするまで、あと2年以上もこの体制が維持されるのかは気になるところです。
朝月さん、朝美さん、和希さん、夢白さん…
彩風さん以外は組替え経験者ばかり。
しかし結果的に、いろんな組の良さが交じり合った今の雪組は本当に魅力的です。
そしてそんな雪組が団結してつくる『蒼穹の昴』は感動そのもの。
「久しぶりにお会いした方に、変わったね、って言われたんです。私自身の感覚としても、どこか『剝けた』ような感覚があります」
彩風さんは、コロナで『立ち止まる』ということを経験し、心境に変化があったと語られています。
一皮剥けた彩風さんの存在感たるや。
力みや気負いが一切なく、自然体で舞台に立っているのに前よりも大きく見えました。
3作目にしてこの風格。
これからも彩風さん率いる雪組が楽しみです。