花組の公演中止が発表されショックを受けるわれわれに、追い打ちをかけるような報道がありました。
そのことについて個人的に思うことを記します。
文春報道について
2019年の男役スター水着報道にはじまり
・推せる推せないジェンヌアンケート
・コロナ感染者名指し
・私設ファンクラブ問題
・トップスター大人会リモート参加
・演出家のパワハラセクハラ…
『文春報道は忘れたころにやってくる』と言われていましたが、最近、間隔が狭くなってきましたね。
それだけ宝塚に関する記事がよく読まれるのでしょう。
それにしてもタイミングが悪い。
星組、宙組バウ公演が中止なうえ
花組公演中止が発表されたその日に追い打ちをかけるような報道。
報道されたご本人はプレサヨナラ公演(リサイタル)真っ最中。
1月10日(昨日)の公演は、ご本人も組子たちも観客も報道を知ったうえで上演されたわけですが
・トップ娘役さんのはじけっぷり
・3番手さんの面白いツッコミ
・組長さんのあたたかいサポート
・トップさんのいつもと変わらない穏やかで優しい御姿。
SNS上の楽しい観劇レポートと報道の内容との間にあまりにも差がありすぎて困惑するばかり。
だからといって「あんな報道絶対に信じない!」とシャットアウトするつもりもなく
「そんなことがあったなんてヒドイし、かわいそう」と内容を鵜呑みするつもりもありません。
ただ感じたことは、『109年の歴史ある宝塚』ということは『109年ものあいだ閉ざされた世界』であったということ。
「夢の世界」「秘密の花園」
「竜宮城」「すみれコードに守られたフェアリー」
生徒を守るために築き上げられた『夢の世界』が、逆に生徒を苦しめる『檻』になっていたのなら、こんなに皮肉なことはありません。
事実がどうであれ、『秘密のベール』をはがすような報道があったときに一番傷つくのは『宝塚の宝』である生徒さんたち。
1月11日(本日)の公演で、この件に関してトップさんが涙を浮かべながら胸の内をお話しされたそうです。
「(報道に関して)私より組子が怒ってくれて、ファンの皆さんも信じてくださったので怖くなかったです。ただ自分が言われるのはいいけど、元相手役さんはそんな子ではないし、今すごく頑張っていて誇らしく思います。それと頑張っている下級生があんな風に書かれて悔しかった」
劇団はこのような報道を未然に防ぐためにも、また、今後の報道対処においても、ホームページでコメントを出すだけでなく
情報があふれる令和の時代に『生徒を守る方法』について案出する必要があるのは明らかです。
こんな状況でも明るく舞台にたつ生徒さんたちをみて思うのは、
見えない何かを詮索するのではなく、彼女たちの『観客に見せたい世界(舞台)』を純粋に受け取りたいということ。
「幕が上がったら来てくれたお客様と誠実に向き合うこと、その日できることを精一杯パフォーマンスすることが私たちの仕事です。でも女性があれだけ揃っている劇団なので、どうしても日々いろいろなことは起こる。みんなの気持ちが全然違うところに散ったまま開演することだけは嫌だったので、バラバラになりそうな時は私から何か言うようにしていました」
元雪組トップ・望海さんが語られていたように、
(我々に見えないところで)なにかあったとしても、最高のパフォーマンスをするために己を奮い立たせて舞台に立つ生徒さんたち。
くり返しになりますが
そんな彼女たちが『見せたい世界』を、そのまま純粋に受け取って楽しみたいというのが個人的な感想です。
ただでさえコロナという不安にさらされている生徒さんたちが、外野のあれこれによってこれ以上つらい思いをすることがありませんように。
宙組リサイタル・DS・バウ追加公演の完走と、花組・星組公演の一日もはやい再開を心から願っております。