ロックオペラ・モーツァルト観劇してきました。
モーツァルト役の礼真琴さん
下級生の頃からすごい人だとは思っていました。
しかし、何でもできるが故に、役をもて余していた印象があったのですが、
今回の「ロックオペラ・モーツァルト」を観劇し、やっと、やっと礼さんの本領を発揮できる作品に巡り会えたのだと思いました。
あの礼真琴さんが、なりふり構わず、必死な姿を惜しみ無く見せてくれるから。
まず、次から次へと超絶技巧を必要とする曲がでてきます。
一曲の中で、低音から高音まで広い音域、リズムの難しさ。
それに加え、歌いながら走り回ったり激しい振りまで。
それでも全くぶれない歌声。
舞空さんや、凪七さんをはじめ、出演者とのデュエットも、それぞれ相手によって声色を使い分けているのは流石の一言。
そして、難易度の高いダンスのオンパレード
礼さんのスゴさは、歌だけではないのです。
そう、この公演では、礼さんのダンスも存分に拝見することができます。
礼さんお得意のアップテンポのダンスが多く、息を尽かせぬ俊敏な動き、その礼さんに追い付こうと必死で踊る下級生の本気。
舞台から湯気が立ち上ってくるような、熱いダンスシーンの数々。
中でも一番圧巻なのが、
舞空さんとのデュエットダンス
一瞬でも気を抜けば事故が発生し、それ以降のおどりを続けることは不可能と思える 複雑なデュエットダンスです。
その何十という細かい振りを、寸分の狂いもなく次々とキメていくお二人。
見守る客席にも緊張感が走ります。
極めつけの大リフトが無事に終わった時は、客席から大きな拍手がわき起こりました。
その後、お二人がお辞儀をしてお顔を上げた瞬間…
礼さんが、フラフラと2~3歩前につんのめってヒヤリとさせられましたが、礼さんのニコリと可愛らしい笑顔が見られて一安心。
本当にハードな公演なのでしょう。
「ロックオペラ・モーツァルト」全体の感想
登場人物の人となりを知る重要なエピソードや、肝心なところが描かれておらず、説明セリフのみであったり、一曲一曲が長いので、そちらに尺を取られ、深い芝居を見せるという作品ではないという印象です。
モーツァルトの伝記を知った上で、気楽に登場人物の歌やダンスを楽しむ作品だと感じました。
その中でも、礼さんはモーツァルトの成功と挫折を、舞空さんはコンスタンツェの可愛らしさと純粋さを、凪七さんはサリエリの嫉妬と葛藤を、短いシーンでもそれぞれに表現されていて、素晴らしかったです。
凪七さんはサラッと歌われていましたが、ソロの曲も、礼さんとのデュエット曲も、相当難しいですよね~。
凪七さんの無駄のない動きや佇まいから、17年目の落ち着きを感じました。
モーツァルトの陽、サリエリの陰。
礼さんと凪七さんの人物対比が絶妙。
舞空さんは、宝塚アレンジされた奔放だか可愛らしく純粋なコンスタンツェを好演。
歌もセリフのように、役の感情そのままに歌い、コンスタンツェという人物が、歌からも透けて見えました。
デュエットダンスのドレス裾さばきも美しかったです。
新生星組はとんでもない組になる
礼真琴さんの影響か、作品の力なのかは分かりませんが、明らかに下級生たちの歌やダンスに命が吹き込まれたように思います。
単純に言ってしまうと、レベルアップしたということになるのでしょうが、それとはまた違い、気迫のような凄みを感じました。
あの人に追い付きたい。
お披露目公演から、組の皆がしがみついてでも付いて行きたいトップスターだなんて、素晴らしいですね。
礼さんと舞空さん率いる星組、みんなの期待どおり、とんでもない組になるのではないでしょうか。