星組『JAGUAR BEAT』辛口感想

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前記事に『ディミトリ』について感想を書きました↓

今回は『JAGUAR BEAT』の感想をお伝えしたいと思いますが

後半は少々辛口となっていますので読み進めご留意ください。

※最後に追記あり。

星組『JAGUAR BEAT』感想

『JAGUAR BEAT』良かった点・組の充実

礼さんについては言うまでもなく
歌もダンスも群を抜いて素晴らしかったの一言です。

そして偉大なトップのもとで育った若手の活躍により、層の厚い組になっていたことに感心しました。

数作前だと礼さんオンステージだったのが
歌ウマの生徒さんが増え、聴きごたえがありました。

出番も礼さんだけが突出して多いというわけでなく、瀬央さん暁さんに同等の見せ場があり

つづく綺城さん、天華さん、碧海さん、天飛さんも出ずっぱり。

驚いたのは105期の稀惺さん
有沙さんや碧海さんと3人で銀橋を渡っていて、いよいよ上げられてきたなと。

舞空さんはシルバーホワイトの衣装がうつくしく、羽根がはえたような軽やかなダンスが素晴らしかったです。

中詰めはダルマ姿で見事なプロポーションを披露していました。

一番好きな場面は
礼さんと舞空さんのデュエットダンスです。

名ダンサー2人に期待されるのは
『ロミオとジュリエット』のような
カミソリデュエダンだと思うのですが、

今回はしっとりと大人な雰囲気でステキでした。

詩さんは礼さんと組んで踊るシーンや、デュエダンの影ソロも。

小桜さん、有沙さんはお芝居で出番が少なかったので、ショーで活躍の場があり良かったなと。

都優奈さんのエトワール、うまかった~。

目を見張ったのが極美さん

成長著しく、見せ場でも堂々としていたのが印象的。

暁さん極美さんが対で踊る場面もあり
組を背負っていく2人!という
組の未来を予感させるシーンもありました。

『JAGUAR BEAT』はとにかく総力戦です。

中詰めが何度もあるような激しいショーなので、組子たちのパワーは凄まじく

体力のある星組じゃないと成立しないショーだなと思いました。

ですが…以下、辛口感想です。

『JAGUAR BEAT』辛口感想


宝塚ファンあるあるの一つに

たとえお芝居が風が吹く作品(愚作だったとしても
「ショーが良いから通える!」
という経験ありますよね。

まさか、その逆バージョンが起こるとは!

『JAGUAR BEAT』の破壊力は凄まじかったですよ。

ここまでバッサリ物語の余韻をぶった切るショーを初めて観ました。

『JAGUAR BEAT』残念ポイント

衣装もセットも照明も
ガチャガチャごちゃごちゃ。

大音量でビートが刻まれ
マイクはハウリングとの闘い。

まぶしいライトが苦手な方、
ライブハウスの大音量がダメな方は
席種によっては注意が必要かもしれません。

(初日にくらべ音量が少し小さくなったとの情報ありですが、あれで?)

クリスタルバードの羽根をめぐるストーリーも分かりにくくて残念でした。

途中で舞空さんが車いすで登場した意味は?

『考えるな、感じろ!』というには
50分は長すぎますね。

『JAGUAR BEAT』は
最初から最後まで幕が開いたままノンストップ!というのが見どころなのだとか。

しかしそれが仇となり
極端に言うと、50分1場面になってしまったという印象です。

初日があけてすぐなので
出演者の出番を観客が把握していないのは仕方がありませんし、つねに大人数が舞台上にいるとはいえ

礼さん登場時に拍手が少なかったことに凍りつきました。

客が拍手のタイミングに戸惑っているのが舞台にも伝わっているかもしれません。

生観劇よりも映像の方が観るべきポイントが分かりやすいショーなのかなと思いましたが、それはそれでどうかと)

礼さんと舞空さんのデュエダンが終わって、次はパレードかと思いきや!

下手花道から極美さんがセリ上がり、銀橋を渡いながら歌う流れに違和感。

もしかしてこのショーは
王道の構成が染みついている
宝塚ファンより
初心者さんの方が楽しめるのかな。

だけど初心者さんにこそ
王道のショーを見てもらいたいような…

そんなことを考えてしまうほど
めずらしく長く感じるショーでした。

何よりも残念だったのは…

いまの星組にはスポットライト1本で2500人を感動させられる実力者がたくさんいるにも関わらず、

それを活かさず、大衆に埋もれさせてしまったこと。

齋藤先生は愛情をもって生徒一人ひとりを見ている人だと思うので、なんとかならなかったのかなと。

退団者のピックアップ場面は良かったです。

個人的には
ライブハウス並みの大音量も
パチンコ屋のような電飾も得意なので

挑戦といえど、ここまでやるか!と笑って観られましたが

耳にも目にも心にも強烈な刺激を感じるショーなのは確かです。

それが理由か分かりませんが
となりの人は途中で退席されました。

ただ、観劇した人たちの感想がどうであれ

星組の皆さんはとても楽しそうに歌い踊り、全力でこのショーに命を吹き込んでいます。

次に観劇するときからは
構成演出にはグッと目をつぶり
組子の良いところをどんどん見つけて応援したいと思います。

どうかケガなく全員そろって千秋楽を迎えられますように。

【追記】
後日再観劇したところ
音楽の音量もライティングも
シーンの間の取り方も調整され
ずいぶん観やすくなっていました。

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