新トップお披露目&初舞台公演でもある雪組『Lilacの夢路/ジュエル・ド・パリ‼』観劇してきました。
さっそく感想に移りたいと思いますが、お芝居は結末が分かってしまうと面白さ半減のためネタバレなしでお届けいたします。
「ライラックの夢路」正直感想
19世紀のドイツ、国の発展のために鉄道建設に情熱をもやすドロイセン家の5人兄弟の物語。
うつくしい映像や凝った衣装によってステキな世界観が広がっています。
ダンスシーンが多いためか舞台転換がすくなめなのは意外でした。
幕開きからダンスがくり広げられ、なかなか本編に入らないのは『宝塚あるある』ですね。
オープニングで出てくる美穂さん(謎の美女)が物語のキーになるのですが、
あれ?このパターンどこかで見たことがあるような。
そうです、星組『眩耀の谷』で謎の男(瀬央)が瞳花(舞空)の兄だったという『あれ』です。
謝先生は謎解きがお好きなのですね。笑
『謎』は最後までひっぱられ、美女の正体がわかった途端、拍子抜けするくらい急展開でラストを迎えます。
まぁ、それまでに5人兄弟を取り巻く雑なドラマがあるんですけどね。
事業の立ちあげ、運命の恋、金銭問題、不治の病など、ドラマティックな要素をふんだんに散りばめてはいたものの描き切れていない部分が多く、正直、物足りなさを感じました。
しかも肝心なところが描かれていないんですよね。
ダンスや歌は物語の雰囲気とチグハグな印象を受け、違和感が残りました。
ストーリーはわかりやすいので初見でもサラッと観やすいとは思いますが、ラストは「そういうことか!」とスッキリするか、「そんなことある?」とツッコむかはあなた次第。
ちなみにネタバレはこちらに書いています↓
『小林一三誕生150周年』を意識して作られているので 鉄道へのリスペクトは強く印象に残りました。
出演者別感想
トップになった夢白さんは水を得た魚状態。
いきいきと舞台に立っていて、それはそれは魅力的です。
プレお披露目の『ボニー&クラウド』で体当たりの演技を見せ、すでに代表作となった感じはありますが、
女性の社会進出が難しかった時代に自らの力で生きるエリーゼもハマっていました。
夢白さんにはまだまだいろんな引き出しがありそうです。
そして新しい相手役をむかえた彩風さんの印象にも変化が!
彩風さん、ちょっと若返りました? 笑
情熱あふれる青年がピッタリだというのもありますが、体当たりでぶつかってくる夢白さんのエネルギーも作用しているのかなと。
トップコンビとして、芝居、うた、ダンス、ビジュアルのすべてに相性の良さを感じました。
次男の朝美さん(フランツ)は心ひそかに野々花さん(ディートリンデ)に想いを寄せていますが、野々花さんは彩風さんにベクトルが向いていて…
兄をサポートしつつ嫉妬に苛まれる感情の変化を繊細な演技で好演。
『海辺のストルーエンセ』を経て さらに演技に深みが出ましたね。
和希さん(ゲオルグ)は兄たちをよく見ていている賢い三男。軍服がよくお似合いです。
それにしても和希さんはダンスがうまい、歌がうまい、声が良い!(毎回おなじことを言ってすみません)
体が弱くみんなに心配され愛される末っ子(ヨーゼフ)の華世さん。
大きな役なのに上級生に囲まれても物怖じせず対等に渡り合っていて、やはりすごい逸材ですね。
で、5人兄弟の物語と聞いて予想はしていましたが、
2作連続はキツイ
やはり娘役さんの役がほとんどありませんでした。
内容も盛りだくさんですし、これ以上役を増やすと収集がつかなくなるで仕方のないことだとは思いますが、
せっかくのオリジナル作品なのでもう少しなんとかならなかったのかなと。
娘役は『蒼穹の昴』も気の毒な扱いだったので、さすがに2作つづくとキツイですね。
美しいドレス姿で舞台を華やかに彩る雪娘たちが誰かの目に留まりますように。
さて、つぎの記事では『ビックリ和希』が意外とビックリじゃなかったショーの感想を綴ります。