本日は『蒼穹の昴』東京新人公演ですね。
次期雪組御曹司と名高い華世京さん(106期)がこの公演で初主演を果たしました。
研3での新公初主演は彩風さんと同じ。
そこで今回は、華世さんも受けるであろう御曹司教育、
またの名を『雪組一人っ子政策』について思うことを記したいと思います。
雪組一人っ子政策
雪組御曹司の歴史
雪組は杜けあきさん
一路真輝さん、高峰ふぶきさん
生え抜きトップが3代続きました。
そして轟悠さん、絵麻緒ゆうさん
朝海ひかるさん、水夏希さんを経て
新人公演5回という華々しい経歴と
VISAの看板つきで音月桂さん(84期)が5代ぶりの生え抜きトップとなりました。
しかし、その後の音月さんの不遇は今でも語りぐさに。
雪組御曹司として期待された音月さんでしたが、わずか4作で退団。
そのサヨナラ公演『JIN-仁-』で
新人公演の主演をした人こそ
次期雪組御曹司の彩風さんだったというから驚きです。
その後、彩風咲奈(93期)さんは新公を5回独占。
御曹司をつくる意味
永久輝せあさん(97期)も新公4回と、これまた分かりやすい御曹司でした。
雪組でトップを期待されていましたが、花組に組替え。
VISAという大看板がついていながら
研12でまだ3番手という現状。(これには理由が)
そして彩風さんと永久輝さんに挟まれた
月城さん(95期・新公3回)が
月組に組替えしてサクッとトップになっている点が興味深い。
彩風さんや永久輝さんの例を見ても分かるように、御曹司だからといってトップに早期就任するワケではありません。
むしろ反感を買わないために
時間をかけて上げられている印象です。
では劇団はなぜ生徒の将来が
どうなるかも分からない早い段階で
『御曹司』という存在をつくるのか。
賭けにしては大きすぎる。
これはまったく個人の主観なのですが
(雪組に関わらず)早くから抜擢され
大舞台を多く踏んできたスターは
立ち居振る舞いから発言まで
劇団の期待どおりの成長を遂げている人が多いのは確かかと。
劇団は早期就任より、収益率の高い長期在任を期待して御曹司制度を採用しているのだと思います。
しかし、コロナ禍において
『御曹司(一人っ子)教育』に変化がおとずれます。
御曹司(一人っ子)教育に変化
現在、伸び伸び成長中の御曹司
縣千さん(101期)
縣さんの場合は、新人公演を一人で4回~5回独占するというガチガチの一人っ子政策とは違い、
綾鳳華さん、諏訪さきさん、彩海せらさんにも振り分け、他組と変わらない育成方法を取ったように思います。
過去、新人公演は閉ざされた空間の中で下級生の育成のみに焦点を当て実施されてきましたが、
新公が配信されるようになると
下級生の成長を追う『ひとつのエンタメ』として見られるようになりました。
すると、たくさんの生徒にチャンスを望む声が大きくなり、ひとりの生徒に何度も主演をさせることが難しくなったのは言うまでもありません。
ですが結果的に
『組を背負う者』としての
プレッシャーを与えすぎない育成法は、現代の教育に合っているのではないかと。
不用意に敵を作らせない配慮も
今の時代に大切なことなのかも知れません。
そんな中あらわれたNEW御曹司。
雪組NEW御曹司・華世京
華世京(106期)
研2で『ほんものの魔法使い』で3番手役に抜擢され、鮮烈なデビューを飾りました。
『ODYSSEY』でダンスの実力を存分に発揮。
そして『蒼穹の昴』で研3にして
新公初主演を果たした逸材です。
2023年『BONNIE & CLYDE』でも
彩風さんに付いてしっかり育成される予定。
コロナ禍で人事が保守的になる中
これまで一人っ子政策を推し進めてきた雪組の育成がどう変わるのか、興味は尽きません。
そして
同じ御曹司でもタイプの異なる
縣さんと華世さんの今後の活躍がとても楽しみです。
本日の新人公演が終わると
『蒼穹の昴』はいよいよ千秋楽にむけラストスパート。
12月25日、組子たちが全員元気で
朝月さんのラストデーを迎えられますように。