数日前の記事に
これから月組に望むことは
月城さん当て書きオリジナル作品とショーの充実と書きました。
しかしその願いは叶わず。
発表された月組次回作の演目は
漫画が原作の「応天の門」
原作・灰原薬/脚本演出・田渕大輔
次から次へと上演される原作ありきの作品。
どうしてこんなに多いのか。
月組次回作から見えた劇団の方針について
個人的に思うことを記します。
原作ありきの作品
かつて宝塚歌劇団の人気を押し上げ、興行を支えていた「エリザベート」などの海外ミュージカル。
大きなナンバーがいくつもあり、
スターの歌技術の向上、組全体の歌唱力アップにつながるため定期的に上演されていました。
しかし、舞台で上演する権利や、
映像販売の権利、音源販売の権利など
多額の予算が必要です。
そのため、コロナ禍における公演中止のリスクを避けるため、海外ミュージカルは約2年にわたり本公演で上演されていません。
これは仕方のないことですね。
そこで日本のアニメ・小説・映画を元にした作品に焦点が当てられました。
「シャーロック・ホームズ」
「シティーハンター」
「今夜、ロマンス劇場で」
「HIGH&LOW」
「斜陽の国のルスダン」
「蒼穹の昴」
などなど…短期間にすごい数。
これらの作品は、演目が発表されると
宝塚ファンや原作ファンによって一気にSNSで拡散され、大きな話題になります。
劇団にしてみれは顧客が自主的に公演を宣伝してくれるなんて願ったり叶ったりでしょう。
過去にも原作ありきの作品はたくさん上演されてきましたが、現在のSNS拡散力は目を見張るものがあります。
新規客の獲得にも大きな影響を与えたんじゃないかと思います。
観劇予習のために原作本の購入や映像を購入すると、原作出版側もニコニコ。
劇団も出版社もウインウイン。
日本のアニメや小説、映画を題材にすることがこんなにメリットだらけだなんて。
メリットがあるのは企業だけでなく、われわれファンにも。
原作がある作品はストーリーが分かっているので、安心してチケットを購入できますよね。(←ここ大事)
ここまでメリットについてお話ししましたが、
純粋に過去の作品に光が当たるのは素晴らしいことです。
月組「応天の門」
月組の次回作「応天の門」は、
菅原道真と在原業平がタッグを組んで難事件を解決するというストーリー。
とても面白そう。(未読です)
道真が月城さんで、おそらく業平が鳳月さんでしょう。
お二人のバディを何回でも見たので、いまからチケット争奪戦に意欲満々です。
【余談】
次回月組は和物の芝居とラテンのショーかぁ、すごいギャップのある公演ですね。
ショーの解説に「熱」が3回も使われていて、星組じゃないよね?と二度見しました。笑
月組の熱いラテン楽しみにしています。
いつまで続く原作作品
話しをもどして、劇団の戦略について。
原作ありきの演目の連投はいつまで続くのか。
ここまでハイペースかどうかは分かりませんが、しばらく続くのではないかと。
コロナが落ち着いて海外ミュージカルが復活したとしても、良いことだらけの国内原作作品は積極的に継続させるのかなと思います。
しかし、せっかく注目度のたかい演目で新規客を呼び込むことができても、リピートに繋げるにはまた違った戦略が必要で…難しいですね。
数々の戦略をくりかえし100年以上発展し続けてきた宝塚歌劇団。
コロナで大打撃を浴びたにも関わらず、
話題性のある原作作品をつぎつぎと上演し
ふたたび盛り返そうとしています。
110周年の目玉となる公演に
海外ミュージカルをもってくるのか、
国内の原作作品をもってくるのか、
はたまた完全オリジナルか、
興味は尽きません。
宝塚歌劇団がこれからも多くの人に愛される劇団でありますよう微力ながら応援しています。