星組『花より男子Ⅱ』配信で観ました。
開演5分前を切り、拍手が聞こえてきたかと思えば、稀惺かずとさんらバウチーム御一行の入場。昨日千秋楽を迎えたばかりで本日御園座観劇とはスゴイ体力だなぁ~なんて思っていたら、今度は拍手と同時に「ヒャーッ!」という歓声が聞こえてきて、何事??
なんと花組版で初代道明寺司を演じた柚香光さんがご観劇だったそうで、そりゃあ会場騒然となりますよね。柚香さんが見守る中での続編、星組メンバーの気合いもひとしおだったはず。
暁千星&歌ちづるが作る少女漫画の世界
歌い踊るトップコンビ
前作の花組版は、柚香光さんの圧倒的なカリスマ性と少女漫画の再現度の高さが衝撃的でした。今回の星組版は『花男』の世界観はそのままに、「歌って踊る道明寺とつくし」という、暁千星さんと詩ちづるさんの持ち味を120%活かしたアプローチ。
2時間半にエピソードをこれでもかと詰め込み過ぎた感は否めませんが、雪山遭難、道明寺クッキー、道明寺家お手伝い、記憶喪失など、原作ファンとしては見たかったシーンがたくさん見られて大満足!冒頭から前作衣装を着た暁さん&詩さんによる回想映像があるなど、花組版を思い出させてくれる演出も良かったです。
そしてなんと言っても道明寺の暁千星さん、むちゃくちゃカッコよかったですね。抜群のスタイルと長い手足、表情豊かに『ワガママな俺様』とつくしに一途な『純情ボーイ』を行ったり来たりして少女漫画の「あり得ないイケメン」を軽々とクリア。その緩急自在なチャーミングなお芝居にも心ときめきましたし、歌ったり踊ったりすると色気増々。ラストの立て膝プロポーズは、もう~反則!!悲鳴モノの破壊力でした。
牧野つくし役の詩ちづるさんは、とにかくパワフル&キュート!制服姿のハマり具合はもちろん、コミカルな動きのセンスが抜群です。道明寺母にブチギレる場面など、ただ可愛いだけではない「雑草魂」を地で行くお芝居の巧さに舌を巻きました。
そしてなにより、みんなに軽々おんぶやお姫様だっこされるコンパクト感がたまらなく可愛い。暁さんと詩さんの身長差は神の一言に尽きます!道明寺がつくしをガバッと後ろから抱きしめるバックハグは萌え死にしそうになりました。(詩さんと並ぶと天飛さんが大きく逞しく見えるのも良いですね。)
と、ありうたが作る胸キュン『少女漫画』の世界をどっぷり楽しんだわけですが…
『少女漫画』適齢期
なぜ今回はこの作品をトップコンビに当てたんだろう?
というのも2019年の花組版当時、柚香さんは明日海りおさん体制下の「圧倒的2番手(別箱主演)」として道明寺を演じ、その劇画級のビジュアルで宝塚ファンのみならず外部の漫画ファンまでをも虜にし、トップ就任への決定打となる大きな足がかりを作りました。
今回の『花より男子II』も、すでにファンの多いトップスターが主演ではなく、もし次世代の「2番手東上・3番手別箱初主演作」というカードとして使われていたならば、その男役としての爆発力はさらに凄まじいプロモーションになったかもしれないのに。
F4&個性的すぎるキャスト
ところで今回確実にファンを増やしたのは、暁さんはもちろんですが、花沢類役の天飛華音さんもでしょう。これまでの熱い男役像やギラギラした目力を封印し、透明感のある儚げな「白い王子様」を体現。ただ優しいだけでなく道明寺と殴り合う『男気』に天飛さんの男役らしさが出ていてステキでした。
まさか天飛&詩のお姫様抱っこが見られるなんて!これは天飛さんの新境地を開拓し、路線のスター格をもう一段引き上げるための劇団の見事な大成功戦略だったと言えるでしょう。ただ、歌が少なめだったのは残念。
隙あらばキザる西門総二郎役の大希颯さんと、美作あきら役の御剣海さんも期待どおりのカッコよさ。立ち居振る舞いにも堂々としたスターの輝きが見え、ここ数年の成長スピードには目を見張るものがあります。道明寺の婚約者となる大河原滋役の瑠璃花夏さんは、お嬢様ゆえの自由奔放さがありながらも、芯にある純粋さや優しさが丁寧に表現されていて、原作ファンからも愛される滋というキャラクターを完璧に自分のものにしていました。
つくしの幼馴染・優紀役の綾音美蘭さんは純朴で健気な等身大の女の子を、記憶喪失になった道明寺に近づく中島海役を茉莉那ふみさんが一見あざとくて憎らしい部分と、その裏にある少女らしい可愛らしさの両面を絶妙な塩梅で好演。
そして湯もみDJK(キング)役の鳳真斗愛さん。配役発表時からざわついていましたが、すごいインパクト!で、けっきょく彼女は何役していたの?ずっと出ていたような。あの圧倒的な熱量とエンターテイナー精神に拍手!
さらに秘書チーム(夕渚りょうさん、天希ほまれさん、希沙薫さん、碧音斗和さん)のスーツ姿は眼福。いじめっ子のリーダー・浅井百合子役を演じた鳳花るりなさんも、前半の嫌味な可愛らしさから後半のキレキレなダンサーっぷりへのギャップで魅了。かつてのいじめ役だった桜子を演じた碧羽陽さんと転校生・和也役の奏碧タケルさんは、前作の解説を担う役どころをキッチリと。
大御所勢の安定感も言わずもがな。万里柚美さんが放つ道明寺母の冷徹な威圧感は作品の素晴らしいスパイスであり、それに一歩も引かずに渡り合う使用人頭タマ役の美稀千種さんの存在はつくしや星組生のよりどころ。ひろ香祐さん、天愛るりあさん、早瀬まほろさんによる牧野一家は、登場するだけでホッコリ。
眩しすぎる「ありうた政権」未来への期待
とにかくずっと『にやにやキュンキュン』が続く本作でしたが、プロムからシームレスに繋がるフィナーレ、そして前作のメインテーマが再び鳴り響いた瞬間、多幸感は最高潮!あぁ、楽しかった。
大劇場お披露目を経て、一段とパワーアップした「暁&詩コンビ」。つぎの大劇場公演『RRR』も楽しみにしています。