最高のトップ退団作?月組「Grande TAKARAZUKA 110!」感想

Grande TAKARAZUKA 110! 月組

昨日にひきつづき月組大劇場公演を観てきました。

お芝居『Eternal Voice』の感想は前回記しましたので↓

今回はショー『Grande TAKARAZUKA 110!』について綴りたいと思います。

月城かなと退団作として最高のショー「Grande TAKARAZUKA 110!」

月城かなとの集大成

『FULL SWING!』『Deep Sea-海神たちのカルナバル-』『万華鏡百景色』と、ショー作品に恵まれてきた月城さん。

退団公演のショーはどうだったかといいますと…

前評判どおり最高でした。

中村先生が、『月城かなとの退団公演』『110期生の初舞台公演』『宝塚110周年記念公演』という3つのプレッシャーと戦いながら作り上げたという力作。

前半に宝塚110周年お祝い110期生のラインダンスを挟んで、後半はトップスターの送り出しといったファン向けの内容でありながら、

お祝いやサヨナラにやり過ぎ感はなく、初めて見る人も楽しめる内容になっているのが素晴らしい。

まずオープニングの華やかさに度肝を抜かれました。

110周年記念ということで予算は天井知らず??

とにかく衣装が豪華でトップコンビはギンギンギラギラ。イエローの衣装を着た組子たちで埋め尽くされた舞台は壮観です。

月城さんの歌いだしのちょっと高めの声、透明感があって好きだな~。主題歌がキャッチーで覚えやすいのも良いですね。

風間さんからはじまる仮面舞踏会は月組ならではの芝居心あふれるシーン。

彩海せらさんが銀橋に登場し、若手の場面が始まるのかと思いきや!せり上がってきた鳳月杏さんが場をかっさらい意表をつかれたアヴァンギャルド。プラスチックを貼り付けた衣装が斬新。

そこから月組お得意のスパニッシュへと続き、真っ赤な衣装に身を包んだ月城さんが格好いいのなんのって。

中村先生の特徴として、これでもかと多くの生徒に銀橋を渡らせるサービス精神タップリな演出も健在。

路線スターの歌い継ぎはもちろん、若手娘役を引き連れた組長、彩&天紫の娘役バトル、海乃&佳城の同期渡りや、鳳月さんに背中を押された退団者5名だけの餞別渡り。天つ風さん、謎のちょこっと銀橋でしたが嬉しかったでしょうね。

男役だけ、娘役だけの銀橋総並びもあって、目が足りないとはこのことです。

お芝居でセリフすらない下級生が、ショーでむちゃくちゃ張り切っているのが微笑ましくて。

100期の風間さんに110期をエスコートさせるという粋な演出で始まる初舞台生ロケットも、みんな一生懸命で心あらわれます。

スミマセンの客席降り

で、初日のレポを見て「えっ、あるの?」と驚いた中詰の客席降り

ラッキーなことに通路席をいただいたのでジェンヌさんにタッチしてもらえたのは嬉しかったのですが、フリが全然踊られず。『大丈夫ですよ』的なウインクをもらって恥ずかしいやら申し訳ないやら。(公式で振り付け動画がアップされたら練習したいと思います)

個人的に一番好きなシーンは、やはり『荒城の月』

全員がヒラヒラの洋風の衣装で踊るなか、月城さんだけが平安朝の和装という一見ふしぎに思えるシチュエーションですが、これが風流でステキなんです。和物の雪組仕込の優雅な身のこなしはさすが。

しっとりと踊ったあと4人のお手伝いさんに取り囲まれ、なにやら装着している月城さん。このあと息を呑むような圧巻のラストが待っていますので、ぜひ最後の一瞬をお見逃しなく。

群舞も個人技ではなくフォーメーションで見せる振りが、いかにもトップ退団公演という感じ。組子たちが月城さんの一挙手一投足に意識を集中させて踊っているのを見て胸が熱くなりました。

組子に見守られながらデュエットダンスが始まる演出もステキです。
【小声】れいこうみが客席を見ながら微笑んだり、お鼻チョンも可愛くてトキメキましたが、あまりにも踊らなさすぎのような。DS無しといい、無理させない方向なのかな)

月城かなとの計画

で、月組ってこんなに踊れる組でしたっけ??

暁千星さんが星組に異動になったとき、月組にショースターがいなくなるから心配、誰か組み替えを!とか言われてませんでした??(すみません、私も言いました)

そんな声が組Pに届いたかどうかはわかりませんが、つづく『Deep Sea』から礼華はるさん彩海せらさんの猛プッシュが始まり、彼女たちを中心とした若手シーンを強化。

このころから本格的に下級生のダンス育成に着手した模様。

その甲斐あって着実に下級生たちがチカラを付けていき、本作ではシーンを華やかに彩る頼もしい存在に成長しましたね。

群舞のそろいっぷりはもちろん、オープニングの爽やかなダンス、中詰のラテンダンスもキレがあって見事ですし、

もう月組はダンスが弱いなんて言わせません。

芝居の充実は言わずもがな、エトワールの一乃さんをはじめ歌ウマさんも次々と抜擢され歌唱面も強化。

これが月城さんがトップ就任時から計画していた「組を良い状態にして次にバトンを渡す」「良い状態」なんですね。

現トップのサヨナラ公演で次期トップ体制も安泰だと思わせられるなんて、月組最高!

月城さんが鳳月さんをバグしてから肩をポンという、完璧なバトンタッチ演出にも胸が熱くなりました。

『Grande TAKARAZUKA 110!』は、どこまでもプロに徹する月城さんと海乃さんの清々しい魅力がつまっていて、

トップ退団作として秀逸なだけでなく、宝塚アニバーサリーショーとしても、新入生お披露目作としても最高の逸品だと思います。

この素晴らしい作品が一人でも多くの人に届くことを心から願っています。

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